桑田雅之次期青年部長、政策目標を達成したい、衆・参院選挙を控え
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の青年部(山口敦史部長)は9月11日に臨時総会を開き、次期青年部長に桑田雅之氏(菅平高原温泉ホテル代表取締役)を選任した(既報)。桑田氏は当選人演説で「『One for All,All for One』(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」の精神で青年部の組織運営を行うことをアピールした。さらに、さまざまな課題を解決していくうえで、(1)政策問題への取り組み(2)流通課題への取り組み(3)インバウンドへの取り組み(4)組織強化(5)未来を担う若手経営者の育成――の5つの基本方針を推進していくと語った。
政策問題への取り組みについては、「耐震問題や固定資産税、NHK受信問題、国内旅行の活性化に向けて有給休暇を取りやすくするといった大事な政策、業界の環境が変わるような政策に取り組まなくては全旅連青年部が存在する意味はない。しっかりと取り組んでいきたい」と語った。さらに、「私の期には、16年7月に参議院議員選挙、同12月には衆議院議員の任期満了を迎え、選挙が行われる。このときに我われ宿泊業界が一丸となって、一つでも政策目標を達成していきたい」と強調した。
流通課題への取り組みでは、全旅連サイト「宿ネット」をベストレートギャランティー(最低価格保証)の直販サイトにリニューアルするビジョンを示した。
インバウンドへの取り組みでは、「RYOKANブランドを確立し、しっかりとプロモーションしていく」とし、観光庁の施策にRYOKANブランドを含めてもらい、国土交通省、観光庁との結びつきを深めていきたい」とした。
組織強化では、「見える化」を進める。「旅館規模の関係でどうしても参加できない部員もいるため、セミナーや総会などのネット配信ができるようにしたい」と語った。そのほか、青年部の緊急ネットワーク網の整備を継続するほか、青年部員の減少により、全国大会の低予算化に取り組み、その分を各委員会など青年部事業への予算増加をはかる。
未来を担う若手経営者の育成では、若手経営者の登竜門となるような年間プログラムを作成していきたいとした。
そのうえで、桑田氏は「皆の想いが叶えられる組織でなければ、組織の存在意義はない」とし、「アンケートで部員の声を集め、年内には新たな事業も含め、事業内容をしっかりと作っていきたい」と語った。
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【桑田雅之氏演説】「One for All ,All for One」
(一人はみんなのために、みんなは一人のために)
ラグビーでよく使われる言葉ですが、これはすべての組織を運営するために必要な基本的な考えだと私は思います。全旅連青年部においては「青年部員は全旅連青年部のために、全旅連青年部は青年部員のために」と解釈できると思います。
現状はどうでしょうか? 地元の部員に聞いても全旅連青年部はどんなことをやっているのかわからない。という答えが返ってきます。では実際我われの活動は意味の無いことをやっているのでしょうか? そんなことはないと思います。ただ、上手く伝わっていない状態なのだと思います。
そこで、私が思い描く全旅連青年部とは、私がやりたいことを実現することはもちろんですが、可能な限り皆さんの共通意見を取り入れ、それを全国に伝えていくことだと思います。
私はラグビーというスポーツを通して色々なことを学んできました。海外のチームでプレーし、プロとしてのハングリーさや、自分を犠牲にしても仲間を生かすチームワークを学び、自分よりも遥かに大きな相手に立ち向かって行く勇気を養い、さまざまな文化や人種の狭間でコミュニケーション能力を磨く、という貴重な経験をしてきました。
私は、「One for All,All for One」(一人はみんなのために、みんなは一人のために)の精神でこの組織を運営し、この業界を取り巻く問題に全青年部員のスクラムを組んで立ち向かって行きたい。
そういう想いで次期青年部長に立候補させていただきました。