JR旅連、連盟の解散を承認 2023年3月に、送客数減少受け
2022年5月25日(水) 配信
JRグループ協定旅館ホテル連盟(渡邉宗男会長、1834会員)は5月20日(金)、東京都内で2022年度通常総会を開き、クーポンの役割を果たす旅館券の契約満了日となる23年3月31日に解散することを承認した。事務局は同年9月まで、解散に伴う収支決算や備品類の廃棄やなど残務処理を行う。
解散に至った理由は、東海旅客鉄道の子会社ジェイアール東海ツアーズの営業開始や、西日本旅客鉄道旅行部門の日本旅行への移管、九州旅客鉄道のJTBクーポン利用スタートによる、同連盟を活用した送客数の減少など。さらに、北海道旅客鉄道と東日本旅客鉄道はJR東日本びゅうツーリズム&セールが今年度、新たに立ち上げた旅館連盟に基づいて送客しているため、役割を終えた。
渡邉会長は「(全国一律ではなく)地域ごとの商売方法が確立されてきた。今後はより地域に根差した契約で送客できる」と強調した。
JR側は同連盟の運営終了後も、デスティネーションキャンペーン(DC)や、6社共同宣伝などで、誘客に努めていく。
今年度のDCは、岡山県(7月1日~9月30日)、佐賀・長崎県(10月1日~12月31日)、京都市(1月1日~3月21日)で実施する。
□JRの取組発表 乗り放題切符発売
総会の冒頭、JR6社が送客増へ具体的な施策を発表した。各社の取り組みは次の通り。
JR北海道はHOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスの販売を強化する。同パスは1万2000円で、JR北海道の路線が乗り放題となる。
また初めて、花咲線と稚内から函館を横断する観光列車を運行する。
JR東日本は鉄道の開業から150周年を迎えたことを受け、10月14日(金)から27日(木)までの3日間、同社の全線を自由に乗り降りできるきっぷを売り出す。
JR東海はのぞみ誕生30周年や、新型ハイブリッド車両HC85系の運行開始を記念した商品を造成していく。
JR西日本は山陽新幹線の開業50周年を記念して、団体列車やイベント商品を発売する。
JR四国は昨年度初めて、スマートフォンに表示される乗車券または従来の紙のきっぷから選べるチケット「JR四国全線フリーきっぷ」を発売。Webでの売上が半数以上だったことから、インターネット販売に力を入れる。
JR九州は9月に、西九州新幹線を開業する。また、インターネットで特急券などを買うことができるEXサービスを同線と九州新幹線に導入する。