上高地・アルペンルートなど、新ルートでリピーター獲得へ
JTB・GMTの訪日FIT事業
外客誘致を目的に設立されたJTBは、現在注目されている訪日FIT事業に、どのようなニーズを見出し企画しているのか、「第2のゴールデンルート」として上高地・アルペンルートなど新ルートの開発でリピーター獲得を狙う「JTBグローバルマーケティング&トラベル」(座間久徳社長)FIT事業部商品企画課の高橋里実さんに聞いた。
【丁田 徹也】
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――これまでに造成したツアーについて教えてください。
訪日FIT向けツアー「サンライズツアー」で、富士山ツアーに洞窟体験などの自然散策を合わせたツアーを企画した。英語でガイドを行うインストラクターと河口湖周辺を歩き、歴史や自然を感じることができるのが特徴。長時間滞在するため、悪天候でも富士山を見るチャンスが大いにあることもポイントとなっている。富士山ツアーは長年催行しているのでバリエーションを増やしたかったということと、販売部署から「バス観光以外の自然を味わう体験ツアーがほしい」という要望があったために実現した。現在、体験ツアーが非常に人気で、ほかにも寿司作りなどはとくに好評だ。
現在は、東京―富士山―伊勢―大阪など西に抜けるゴールデンルート以外の「第2のゴールデンルート」の提案をしており、来年からの催行を予定している。これからは、富士山から北に向かい、上高地―アルペンルート―富山―京都に抜けるなど新しいコースでリピーター向けのツアーを開発していく。
――最近の傾向は。
東南アジアからのお客様を中心に、アウトレットモールでのショッピングやフルーツ狩りの人気が高い。一昔前は、ツアーガイドがつきっきりの欧米人が多かったが、現在では東南アジア、とくにタイやマレーシア、フィリピンなど東南アジアからのFITがとても多い。
花見ツアーも今年は初めて富士山山麓の芝桜を見るツアーを行い、好評を博した。やはり、タイなど東南アジアのお客様が多かった。英語サイトからのフルーツ狩りやお花見ツアーの申込みは、欧米より東南アジアの方が多いのが特徴的。
――これまでの経緯を教えてください。
入社してすぐは、「サンライズツアー」の手配を担当した。その後、るるぶトラベルに出向し、国内の旅館・ホテルプランを作成した。
GMTでは、これまでの経験を生かして「サンライズツアー」や「エクスペリエンスジャパン」のツアーやパンフレットを造成している。そのほか、ツアーのメンテナンスや品質改良にも日々努めている。