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【特集No.612】旅する2人 ゆうき氏・きょうか氏 インフルエンサーのSNS術

2022年6月10日
編集部:馬場遥

2022年6月10日(金) 配信

 

 SNS(交流サイト)時代の全盛期と新型コロナ禍が重なり、若者世代を中心に「旅マエ」が変化している。SNSでユーザーに旅行体験を提供し旅行への意欲を高める目的で、多くのフォロワーを持つインスタグラマーにPRを依頼する宿も増えている。SNSでおすすめの宿を紹介し、各アカウント合計で60万人の総フォロワー数を持つ若手旅系インフルエンサー「旅する2人」のゆうき氏ときょうか氏を招き、SNS時代のPR方法やインフルエンサーを介した情報の伝え方について話を聞いた。

【馬場 遥】

 ──旅館やホテルを紹介しようと思ったきっかけを教えてください。

 ゆうき:元々旅行が好きだったので、当初は2020年2月ごろを目途にユーチューブでおすすめの宿を紹介しようと考えていました。
 しかし、ユーチューブは知識やノウハウ、知名度がないと成功しない、いわゆる「レッドオーシャン」と言われている時期でしたので、最初にSNSから始めようということでツイッターを始めました。
 2カ月ほど勉強して、20年6月からアカウントを開設しました。滑り出しは好調で、開設から3カ月でフォロワーは16万人になっていました。
 知っての通り、その時期から世界的に新型コロナ禍となり、なかなか旅行に出掛けられない状況になりました。「コロナ禍でホテルに行けないけれど、旅行には行きたい」という声がSNSに溢れていたので、そういった層が宿の情報を求めているという需要に合致して、フォロワーが増えていったのではないかと思います。

 

 ──4種類のメディアを使って情報発信をされていますが、それぞれの違いや特徴は。

 ゆうき:ツイッターのほかには、インスタグラムやティックトック、ユーチューブで情報発信をしています。
 体感で言うとツイッターは年齢層が比較的高く、情報拡散の爆発力がほかのSNSよりも高い傾向にあるので、我われはツイッターのことを「起爆剤」と呼んでいます。
 しかし、ツイッターでは「旅する2人」として見られるのではなく、投稿内容という「情報」を見られているので、そこは抗わず情報を提供したり、企画の告知をする場として活用しています。濃いコミュニティーが既に形成されているので、つながりができる場としても使えます。
 ユーチューブに関しては旅行というジャンルが難しいというのもあり、数字を伸ばすか、自分たちの好きな投稿をするかで悩みました。
 ユーチューブで動画の再生数を伸ばすとなると、年齢層が高めの視聴者に受けやすいように、まるでバーチャル旅行をしているような、カメラを回し続ける長尺な動画を投稿するのが1つの手でした。
 しかし、僕たちがやりたかったのはエンタメ性のあるものだったので、数字を伸ばすことはあまり考えず、敢えて好きなものを投稿しています。

 きょうか:動画で旅の良さを伝えるとき、純粋に自分たちが楽しんでいる姿をお届けしたいなと思っています。顔を出して投稿し始めたのは最近の話で、まだまだ試行錯誤の時期です。どうしたら楽しく見てもらえるかは研究中ですが、過剰表現は避けつつできるだけ表情を動かし、見ている人に感情を伝えられるように心掛けています。
 また、ここ半年は60秒までの縦型の動画を投稿できる新しいサービス「ユーチューブショート」でも動画を作っています。ショートの利点は、作った動画はインスタグラムやティックトックで併用が利くところです。最近のティックトッカーも短い動画をそれぞれのSNSで併せて投稿している方が多いです。

 

 ──「旅する2人」のターゲット層は。

 ゆうき:最初は僕たちと同年代の10~20代が見るのかなと想定していましたが、データを見てみると実は30代がメイン層となっていることが分かりました。この中で6~7割を占めているのは女性です。
 また、情報感度のレベルが上がってきており、積極的に情報収集を行うユーザーが増えてきて、これに伴って年齢層が徐々に上がっていると感じています。…

【全文は、本紙1872号または6月16日(木)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

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