日本旅館協会、新会長に大西雅之氏(鶴雅グループ) 政府に要望活動強化へ
2022年6月14日(火) 配信
日本旅館協会(浜野浩二会長、2284会員)は6月9日(木)、東京都内のホテルで2022年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、大西雅之氏(鶴雅グループ、北海道)が新会長に就任した。今年度は政府への要望活動を強化するため、交際費を約350万円増加し、500万円を計上した。会場には約110人が集まった。
浜野会長は冒頭、「3月に国庫に返納されたGo Toトラベルキャンペーン予算の7200億円が業界の回復に不可欠だ」と語気を強めた。今後は「全員でこの問題を共有し、声を挙げてほしい」と求めた。
Go Toの再開や多額の新規借入額などコロナ禍におけるさまざまな問題について、「(解決には)政治の力が不可欠。議員に『旅館を無視できない』と思われないといけない。会員同士が一致団結し、邁進してほしい」と力を込めた。
今年度は、昨年度に引き続き、新型コロナウイルス対策本部を設置し、政府などへの要請活動を展開していく。22年度予算のうち交際費はパーティー券の購入などに充てていく。
新会長の大西氏は就任にあたり、「コロナ禍のほかに、円安やエネルギーの高騰などの課題もあり、回復に向けた正念場になる。国からのサポートを求め、乗り越えていきたい」と意気込みを述べた。
とくに、Go Toの早期再開や水際措置の緩和、人手不足、コロナ禍で増加した借入金の返済に対する支援の要求に力を入れていく。
このうち、人手不足問題は地方と都市部で応募人数などが異なるとして、「各支部と本部との連携を強め、実態を詳細に把握することで、要望に生かしたい」と語った。
1期2年間、会長を務めた浜野氏は退任のあいさつで、「回復に向けた課題は多いなか、退くこととになり、申し訳ない気持ちでいっぱい」と悔しさを滲ませた。「困っている会員に身を寄せながら助け合ってほしい。また、数が政治に対する力になる」と大西新体制への支援を求めた。
主な新役員は次の各氏。
【会長】
大西雅之(あかん遊久の里鶴雅/あかん湖鶴雅ウイングス)
【副会長】
唐神昌子(ホテルまほろば)
佐藤勘三郎(伝承千年の宿佐勘)
渡邊幾雄(やまの宿下藤屋)
松﨑陽充(まつさき)
前田健二(北陸・あわら温泉美松)
岡本厚(不死王閣)
有本隆哉(宮島グランドホテル有もと)
奥村敏仁(大和屋本店)
桑野和泉(由布院玉の湯)
【専務理事】
青木幸裕