日本温泉協会が箱根で総会開く 100周年に向けて「日本の温泉文化」をユネスコ無形文化遺産登録へ 笹本会長が留任
2022年6月23日(木) 配信
日本温泉協会(笹本森雄会長、1202会員)は6月21日(火)、神奈川県・箱根湯本温泉の湯本富士屋ホテルで2022年度会員総会を開いた。温泉地での開催は3年ぶりで、約150人が出席した。任期満了に伴う役員改選では笹本会長が留任し、設立100周年に向けて「日本の温泉文化」をユネスコ無形文化遺産への登録を目指す。
笹本会長は冒頭、「この2年間は新型コロナに明け暮れた。まだまだ回復には至っておらず、Go Toに変わる新しい旅行需要キャンペーンに期待したい」とあいさつした。さらに「再生エネルギーでは地熱が注目されているが、国はこれまで規制していた国立・国定公園内での地熱発電を許可する方針を明確にし、改悪の方向への転換を行った」と受け止め、「とくに今年は5年に1度の温泉保護に関するガイドラインの見直しが行われる。有意義なエネルギー政策との共生をはかり、限りある温泉資源の保護のために活動していく」と力を込めた。
学術部の前田眞治委員長は、「日本温泉協会は学術部を有しており、温泉の安心・安全についても、正しい発信ができる体制をとっている」と強調した。外国人旅行者の受け入れ再開にあたり、10カ国語に対応したお風呂でのエチケットポスターの掲示なども呼び掛けた。
今年度は引き続き、関係組織と協力して新型コロナウイルス感染拡大防止対策に加え、6年後に迎える協会設立100周年に向けて、「日本の温泉文化」をユネスコ無形文化遺産登録へ準備を進めていく。さらに温泉が健康増進に効果をもたらすことのエビデンス収集調査などにも取り組む。
なお、次年度の総会は23年6月に湯原温泉(岡山県真庭市)で開催することを決めた。
総会終了後には、同協会前会長で相談役の大山正雄氏が記念講演「箱根火山と箱根温泉について」を行った。
その後、高崎商科大学特任教授の熊倉浩靖氏をコーデネーターに、玉造温泉、草津温泉、箱根温泉、日本秘湯を守る会の代表者が登壇して、温泉文化シンポジウムを開いた。