旅行業の存在意義を確立 5項目の提言をまとめる(旅行業再生戦略会議)
2022年6月24日(金) 配信
旅行業再生戦略会議(髙橋広行議長)は6月22日(水)のJATA総会同日、旅行業再生のための提言書をまとめた。3本の柱として、旅行業の存在意義の確立と周知、「旅行ビジネスを極める」「新たなビジネス領域への進出」両面での進化の追求、前例にとらわれることのない協調と共創の実践──を基本方針に掲げた。
この方針に従い、①業界のブランディング・広報の強化②協調・共創③デジタル原則④人財確保・育成・活用⑤レジリエンス──の5項目を提言。持続可能な旅行業ビジネスモデルの構築と、「高収益構造への転換」の実現を目指す。
提言に則ったJATAとしての対応策として、サステナブルツーリズムへの対応や、SDGs表彰制度の設立、新しいツーリズム領域への挑戦を支援するべく、事業展開への支援体制を整備する。
旅行業界における会社間マッチング支援のため、事業・基盤・人的連携を推進する体制の整備について検討を進める。
デジタル分野において、観光DXに関する勉強会を観光庁と合同で設置する。政府デジタル化方針と連動し、観光DXの推進や、各種関係法令などの整備について関係省庁と連携をはかる。
次世代の人財育成については、若手・中堅リーダー研修の実施や、旅行業OB・OGの経験や知識を活用した働き方の提案として、ホームエージェント型旅行業者代理業者の展開を具体的に検討する。
コロナ禍中における政府への提言や業界の実態などをまとめて対応記録を作成し、今後大災害が発生した際の初動に関わるフローを整理する。また、国内宿泊施設の情報を一元的に集約・共有するシステムの構築に向けた具体的な検討を行う。
このほか、大災害時における政府や自治体などへの支援要請も適時対応していく。
髙橋会長は「旅行業の社会的有用性を社会に伝えていく。ウィズコロナ・アフターコロナのニューノーマル社会、さらにSDGsへの取り組みが必要とされる世界で、旅行業のあるべき姿を目指す」と意気込んだ。会員各社へは、「提言内容を自社の立場に置き換えて、検討・実行していただくことが重要。旅行業を極め、新たなビジネス領域にチャレンジしてもらいたい」と要望した。