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津田令子の「味のある街」「アイスクリームサンデー」――ユーカリと尨(東京都豊島区)

2022年7月1日(金) 配信

ユーカリと尨の「アイスクリームサンデー」480円▽東京都豊島区要町3-3-17▽定休日:木曜日(他に週1日お休みあり)

 昨年9月にオープンしたBOOK CAFÉ「ユーカリと尨」は、池袋駅から歩いても20分程度、東京メトロ有楽町線と副都心線の千川駅からだと3~4分という閑静な住宅街の一角にある。

 

 店に入るとジャズが流れ、ゆったりとした心地のよい空間が広がっている。

 

 看板メニューの1つ、コンビーフとハッシュドポテト、スクランブルエッグ、チェダーチーズがたっぷり入った「ユーカリのスペシャルサンドイッチ」を食べたあとに決まっていただいているのがアイスクリームサンデーだ。バニラアイスとチョコレートアイスの盛り合わせにウエハース2枚と生クリームに鮮やかなチェリーが載っている。夏には、盛り付けも涼しげなこの一品は欠かせない。

 

 井上喜尋オーナーは、店のある千川の印象を「丁寧な日常を過ごす普段使いの時間において最高峰の土地」と話す。「生活の中で心地よい静けさを感じるときが多く宝物がゴロゴロ転がっている街だと思います」。

 

 本が大好きだという井上さんは「どのような文章でも、ある人間が書いているということに価値があります。ある作家の洞察力を頼ったり、表現力に感嘆したり、あらゆる媒体の中でもとくに想像力を必要とする場面において得るものが多く、心が豊かになります」と語る。「旅先で目的地だけでなく道中での思い出が強く印象に残っている事と似ている気がします」。

 

 本が与えてくれるものとして「さまざまな意味で大げさではない満足をいただいています。抽象的で恐縮ですが、千川の魅力と似ていると思います。やりすぎでない上質な日常。あるいは日常の延長線にある非日常の発見というか……」。

 

 千川の休憩できる場所として、「ユーカリと尨」が存在し続けることを望む井上さんは、「店内の本とともに、おいしいごはんを食べていただき、その時間を楽しんで、お客様に心を解してもらいたいです」と語る。

 

 この夏は、3000冊もの書棚を彩る本たちを眺め、好きな1冊を探し出すために「ユーカリと尨」に通ってしまいそうだ。

 

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

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