日本バス協会、新副会長3人を選任 「コロナ前の需要難しい」
2022年7月6日(水)配信
日本バス協会(清水一郎会長、2368会員)は6月21日(火)、東京・経団連会館で2022年度定時総会を開き、その模様をオンラインで出席した会員に配信した。役員の一部改選で副会長3人が退任し、新副会長に井波洋大阪バス協会会長、宮克彦東都観光バス会長、中上一夫川崎市交通局局長を選任した。
清水会長は、冒頭あいさつで「バス業界は新型コロナと原油高で本当に厳しい状況。需要もコロナ前と比較してまったく戻っていないと実感している。これからもリモートワークへの移行やライフスタイルが変わり、需要が戻るのは難しいのでないかと思っている」と心中を明かした。「この2年間、人流抑制でバス業界は大きな赤字を背負っている。(国や行政に対して)バス業界に実質的な支援をお願いしたい」と訴えた。
このほか国や行政に、貸切バス利用の団体旅行に対する支援や、乗合バスの運賃制度の早期見直しをはじめ、悪質事業者に抜き打ち検査の実施、EVバス導入に対する支援や補助金の枠拡充などを求めたいと語った。最後に清水会長は、会員に向けて「バス業界が持続可能となり、バスで日本の未来を明るくしたい」と意欲を燃やした。
議事では21年度事業報告と会計報告をはじめ、施策要望決議や安全輸送決議、22年度の事業計画や収支予算などを決議し、すべて可決された。
なお、昨年から順延してきた11月17日に開催予定の第65回全国バス事業者大会(広島県広島市)は再度順延が決まった。新型コロナが沈静化し、全国から多くの参加を得て開催できる社会環境となった時期に、理事会で開催を決定するとした。