「津田令子のにっぽん風土記(87)」「魅力満載の伊豆半島」~ 伊豆半島編 ~
2022年7月18日(月) 配信
「ふるさとオンリーワンのまち」11番目の認定式がこのほど、東京・銀座6丁目のレストランバー「サンク」で行われた。NPO法人ふるさとオンリーワンのまちの監事を務める原口護久さんに、伊豆への想いを伺った。
今回認定を受けたのは、原口さんも何度か訪ねたことのある南伊豆町の「郷土割烹 伊豆の味 おか田」。推薦件名は「南伊豆町の風土を活かした郷土料理の創造とお客さま第一のスマイルサービス」。
20年ほど前に同業者との会合で修善寺温泉を訪ねた折に立ち寄ったという。「あのとき食べた金目鯛の煮付けは未だに記憶にあります。会議内容よりも鮮明にね」と笑う。それもそのはず。おか田は南伊豆という漁場を活かしながら、新鮮なうちに独自に開発した濃い目の煮汁で仕上げ提供している。県内外に多くのファンを有し「金目鯛のおか田」を世に知らしめている。
南伊豆町の隣町・下田は、原口さんが興味を持つ歴史ドラマが散りばめられ、何度か足を運んでいるという。
1856(安政3)年、タウンゼンド・ハリス総領事、通訳官ヒュースケンが下田に着任し、その年の8月に玉泉寺を日本最初の米国総領事館として開設したことは有名だ。境内に星条旗が掲揚されて以来2年10カ月、玉泉寺は幕末開国史の中心舞台となった。
歴史好きを自称する原口さんは「幕末から開国の舞台となり、ハリスが初の領事館を開いた瑞龍山玉泉寺を訪ねたときは、感動しました。ハリスとお吉の黒船哀話もここで生まれたわけですからね」と語る。境内には、初代総領事館タウンゼント・ハリスの記念館があり、彼の遺品や当時の記録が陳列されている。
「堂ヶ島の眺望のよさも日本を代表する風景ではないでしょうか。遠くに富士山が望め、沈む夕陽は言葉が出ないほどの美しさで、洞窟『天窓洞』をはじめ、雄大な自然を生かしたスポットをめぐるだけで気分爽快になれます。船でめぐることもできます」。
金山で有名な西伊豆の土肥温泉もおすすめと話す。土肥温泉は、400年ほど前の金山開発のころに発展した伊豆でも最大級の温泉地だ。海に面し、三方を山に囲まれ風光明媚な土地・温暖な気候は、若山牧水をはじめ多くの文人にも愛されてきた地。「まだ食べていませんが、最近は日本で唯一、土肥にしかない幻の白びわ狩りができると聞いていますので家族を連れて訪ねてみたい」と原口さん。伊豆への想いは尽きることはなさそうだ。
津田 令子 氏
社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。
原口護さん、久しぶりです。覚えていらっしゃいますか。金沢で中学校をご一緒した寺崎です。伊豆は山あり、海あり、景色も良くていい所ですね。