福井県小浜市の旅館・ホテル運営「松風」が破産 負債は3億6400万円
2022年7月11日(月) 配信
松風(福尾健二郎社長、福井県小浜市)は7月1日(金)に福井地裁へ自己破産を申請し、同日保全管理命令を受けた。帝国データバンクによると、負債は約3億6400万円。
同社は1971(昭和46)年11月創業、73年12月に法人改組した。「ドライブイン若狭松風」の運営からスタートし、その後、割烹旅館「松月花松風」(客室20室、収容人数62人)をオープンするなど事業を拡大していった。
観光バスによる昼食利用が好調だった91年4月期には年間収入高約14億5000万円を計上。05年には皇族が利用したホテルとして名高い「サンホテルやまね」(客室28室、収容人数158人)を買収し、小浜市を代表するホテル事業者となった。
だが、舞鶴若狭自動車道の開通により、ドライブインを利用する観光バス利用者数が減少して業績が低迷。12年には「ドライブイン若狭松風」跡地の売却で借入金の圧縮に努めるなど、経営再建に取り組んでいた。
しかし、新型コロナの影響で、ホテルの宿泊者数が減少したうえ、法事や会合などの飲食部門も低迷。21年4月期の年間収入高は約1億6400万円に落ち込み、赤字決算が常態化していた。
こうしたなか、「松月花松風」は21年4月から無期限休業に入り、「サンホテルやまね」も今年6月27日から休業。社員寮の管理や給食の受託業務のみの運営となっていたことから、今回の措置となった。
なお、今後の方針として「サンホテルやまね」は早期の事業譲渡、「松月花松風」は施設売却、寮の管理・給食業務は事業を継続したうえで、スポンサーを募り事業譲渡などを目指す予定。