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コンセプトへの共感、既存顧客に経営のヒントあり

星野佳路氏
星野佳路氏

星野佳路氏が講演

 中小企業の事業再生専門のコンサルタント会社フィナンシャル・インスティチュートの設立10周年記念講演で、星野リゾートの星野佳路代表が「星野リゾートの組織論」をテーマに話した。星野代表は組織論のポイントを(1)ビジョンと価値観の共有(2)コンセプトへの共感(3)情報とプロセスの公開(4)醍醐味満喫(5)キャリアコントロール――の5つにまとめ、星野リゾートの取り組みを紹介した。

 コンセプトへの共感では、「誰に対して、何を提供する企業なのか」を突き詰めて考えることが重要と指摘し、「ターゲットを狭めれば狭めるほどコンセプトが明確になってくる」とした。また、「星野リゾート青森屋」での再生への取り組みを紹介。「その館・地域の良さや売りは、現地スタッフが一番情報を持っている」と強調した。星野リゾートでは各宿でコンセプト委員会を設置し、(1)市場調査(2)競合調査(3)既存顧客調査――を実施。「売上が下がったときに経営者は、来なくなったのはどの層かと、減っているところを戻そうと考えがちだが、残っている人(既存顧客)のなかにヒントがある」と話す。既存顧客にアンケートを取れば、自社の強みがわかるという。

 意思決定プロセスと経営情報の公開では、「フラットな企業」がキーワード。星野代表は「休憩室や喫煙室での社員の愚痴のなかに、実は経営の真実があったりする」と指摘し、「フラットな場での活発な議論を会議に持ち込めるようにした」と説明した。決めるまではフラットに議論し、決定後は全員がそれに従い、同じ方向を向いて前進することが重要という。また、フラットな関係として、集合写真撮影の例を出し、「フラットな組織では、支配人など役職に就く人が端に追いやられていることが多い」と笑いを誘った。

 仕事の醍醐味としては、顧客からの「お褒め」の言葉を挙げる。「経営者はクレームばかりに目が行きがちだが、クレームは従業員のモチベーションを下げ、消極的にし、提案力が落ちる」と指摘。「クレームはシステム(仕組み)で対応すべきで、従業員には、褒められた内容を皆の前で伝える方がよい」と人材育成についてもアドバイスした。

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