コロナ疑い客拒否可能に 旅館業法5条改正案提出へ(厚労省)
2022年7月15日(金) 配信
厚生労働省の旅館業法の見直しに係る検討会は7月14日(木)、新型コロナウイルスに感染した疑いが利用客について、旅館やホテルなどの事業者側が宿泊を拒否できる旅館業法5条の改正案の方向性を取りまとめた。これを受け、同省は9月に開催予定の臨時国会に向け、改正案の提出作業を進める。ホテル・旅館の従業員やほかの宿泊者の安全を確保し、ウイルスの拡大を防ぐ狙い。
現行法で宿泊を拒否できるケースは、伝染性の疾病に罹っていると明らかに認められる場合などに限られている。このため、発熱などの症状だけでは、利用を断れない。
取りまとめでは、宿泊業者が感染の疑いがある人に、医療機関の受診や必要な感染対策を求め、正当な理由なく応じない際は、拒否できるとした。症状のない宿泊客でも感染対策に応じなければ、拒めるようにする。対策の具体的な内容は今後、検討していく。
一方、2003年には、熊本県のホテルでハンセン病の元患者が宿泊を拒否されるなど、不当な差別事案が発生したことから、同省は事業者への努力義務に「従業員への研修」を加え、さらなる差別防止の徹底を求める。