さぬき市副市長が来社 東讃エリアで連携 香川県東部2市1町
2022年8月3日(水) 配信
香川県さぬき市の中村修副市長が7月20日、本紙関西支社を訪れ、8月1日に同市と隣接する東かがわ市、三木町の2市1町と締結した観光振興に関する連携協定の概要などを紹介した。
2市1町がある県東部の東讃エリアは、関西圏から高速道路が直通し、所要時間も約2時間30分程度の距離だが、県中央の高松市内エリアへの通過地になっているのが現状だ。実際、神戸淡路鳴門自動車道から見て最初のサービスエリア(SA)である「津田の松原SA」(さぬき市)は年間を通じて多くの人でにぎわうが、そのほとんどは高速道路を降りることなく通過していくという。
中村副市長は連携協定締結の背景として、「地方経済はどんどん縮小し、さぬき市も例外ではない。観光客の方に半日でも1日でも来ていただいて、消費してもらうことが東讃エリア共通の課題だ」とする。
連携協定に基づく最初の取り組みとして、「東讃エリア観光アンバサダー」を設置。「浪速のカリスマ添乗員」として知られる、日本旅行おもしろ旅企画ヒラタ屋代表の平田進也氏に委嘱した。
8月1日には、さぬき市野外音楽広場「テアトロン」で締結式および委嘱式を実施。3自治体の長と平田氏によるトークセッションも行われた。
会場のテアトロンは瀬戸内海の絶景を望む大串自然公園内にあり、古代ギリシアの円形劇場のような施設だ。歌手の小田和正さんらがコンサートを頻繁に開いている。
ほかにも東讃エリアには観光資源が豊富だ。さぬき市には1988年創業の四国初のワイナリー「さぬきワイナリー」(さぬき市)のほか、四国八十八カ所霊場の第86―88番の「上がり三カ寺」、同市出身で江戸時代にさまざまな分野で活躍した平賀源内記念館などがある。
東かがわ市は全国シェア9割を占める国産手袋産業や伝統の製法で作られる高級砂糖「和三盆」で知られる。三木町は東讃富士と呼ばれる白山や、メタセコイアが生い茂る「太古の森」など自然豊かな場所だ。
中村副市長は「我われにとって当たり前と思っていることが観光資源になることがある。平田氏にはエリアを回ってもらい、新しい知見をいただきたい。そのうえで、東讃エリア全体が努力し誘客に結び付けていきたい」と力を込めた。