食で選ばれる観光地に(徳島県 大歩危・祖谷温泉郷)
2022年8月12日(金) 配信
大歩危・祖谷温泉郷がある三好市では昨年度から、食の魅力向上をはかる「三好市ガストロノミープロジェクト」を実施している。設定したゴールのイメージは「欧米豪の人が約5日間滞在」。世界農業遺産認定などのアドバンテージを生かし、「おいしいものを食べに行く目的地」への進化を模索している。
料理メニュー開発では、温泉郷のホテル・旅館5軒の料理人が集まり、京都菊乃井の堀知佐子常務を食のメンターに、タレントの大桃美代子さんを食のアンバサダーに迎え、地元の鹿肉やシイタケなどを使ったメニューを開発。今年3月には東京で食フェアも開催し、開発した料理を披露したところ好評を得た。
こうした取り組みを経て、料理人の相互交流が深まり、ガストロノミーを新たな観光の柱に育てていくという機運が高まってきた。メニューは作って終わりではなく地域内で流通させるなど、今後も「連続性」と「継続性」に重点を置き、食のレベルアップに取り組む。
一方、10年以上前から実施していたウォーキング大会をバージョンアップして始めた「ONSENガストロノミーウォーキング大会」の大歩危・祖谷開催は今年10月で4回目。地域ぐるみのおもてなしや祖谷街道の景観に加え、「食」の魅力がさらに増えたことで、参加者の満足度が高い。次回は、開発した料理も一部提供する予定だ。
【大歩危・祖谷いってみる会 会長 植田佳宏(ホテル祖谷温泉社長)】