「ルーツ&アーツしらおい2022」が開幕(10月10日まで) 15組のアーティストが白老町内22カ所でアート作品展開
2022年8月31日(水) 配信
北海道・白老町を舞台にした文化観光プロジェクト「ルーツ&アーツしらおい2022」が、8月27日(土)から10月10日(月・祝)まで39日間、開催される(※月曜日は休み、祝日の場合を除く)。主催は文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会、白老文化観光推進実行委員会。助成は公益財団法人福武財団。
白老町内22カ所の会場で、国内外から15組のアーティストが展示やパフォーマンスを展開する。2年目となる今年は、プログラム数や参加アーティストが大幅に増え、白老町の特徴を生かした作品展示、パフォーミングアーツ、住民や来訪者と共に作り上げるプロジェクトなど、さまざまな企画が白老町内を会場に行われる。
企画の軸になるのは「ルーツとアーツ」。白老に根付く文化や伝承・人の営み(=ルーツ)を再発見・再編集し、アーティスト・住民・来訪者が共創しながら表現(=アーツ)していくことを目指す。この事業により町の未来の観光・文化資源を創出し、新しい関係人口とコミュニティーを生み出すことを目的としている。
メインビジュアルは、参加アーティスト「野生の学舎」が白老町民らと制作した、表情豊かな土面を配置している。この土面は白老町の河川で採取した粘土を使用し、町民らとのワークショップによって制作・野焼きをしたもの。これらの土面を含め百数十にもなる土面は、白老町森野の廃校となった「旧森野小中学校」に展示される。また「ルーツとアーツ」の題字は大町商店街にある「喫茶 休養林」の店主、相吉正亮さんによるもの。木彫り作家として白老町に根差し、自然保護活動や創作活動に取り組んでいる相吉さんは「ルーツ」と「アーツ」を体現する方といえ、その「ルーツとアーツ」の文字を依頼し、魂を吹き込んでもらった。
参加アーティストは、青木陵子+伊藤存、iruinai、石川大峰、梅田哲也、大黒淳一、おたのしみ劇場ガウチョス、香川軍男、是恒さくら、白老アイヌ工芸グループ、鈴木ヒラク、曽我英子、森と街のがっこう、野生の学舎、吉田卓矢、四辻藍美の計15組の各氏・グループ。
展示場所は、参加アーティストが白老での滞在の中で、地域住民らと関係を築いていく中で見つけてきた。会場の中には、町民のみならず地域で愛される食料品スーパーや元飲食店の外壁、廃止になった燈台、森の中の廃校、喫茶店隣の空き店舗、町民が憩う町立図書館、旧鉄工所など、暮らしや日常風景の一部になっている場所が多くある。
町外からの来訪者が町中を回遊しながら白老町の新しい側面を発見すること、また住民にとっても違う角度から改めて町を見る機会になるのではないかと期待している。