HIS、ハウステンボス売却 1000億円で、財務改善へ
2022年9月1日(木) 配信
エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)はこのほど、アジア最大級の資産運用会社「PAG」(伊藤宏一社長、東京都港区)にハウステンボスを1千億円で売却することで合意した。コロナ禍で悪化した財務状況の改善をはかる。
ハウステンボスの株式の66.67%に当たる全保有分を売る。残りの株式は所有する九州電力やJR九州など地元企業5社から取得後、売却される。株式譲渡日は9月30日(金)。
PAGは、より強固なブランド醸成を通じた集客力の向上の可能性やレジャー市場の回復の見込みなどを評価。2013年にユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪府大阪市)の再生に関わった実績を生かしながら、アトラクションの導入やイベントなどへの投資でテーマパーク事業を拡大する考えだ。
運営とブランディングについては、西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)やネスタリゾート神戸(兵庫県三木市)などのテーマパークのマーケティングを支援した刀(森岡毅社長、大阪府大阪市)が担う予定。
ハウステンボスは1992年の開業以来、18年間赤字が続いていた。HISの傘下に入った2010年からは、10期連続で黒字化を達成。コロナ禍の影響で21年9月期決算の営業損失は29億600万円の赤字だった。
HISは22年10月期決算で株式売却益として、特別利益646億6千万円を計上する。連結決算でも特別利益に反映させる。