第100回記念全旅連全国大会へ―歴代会長がメッセージ(祝辞) 佐藤 信幸 氏(在任 2007~2015年)「国との災害協定を望む」
2022年9月12日(月) 配信
「全旅連100回全国大会」の開催誠におめでとうございます。
私は、1995~96年全旅連青年部部長を、2007~15年までの8年間、全旅連の会長を務めました。
青年部時代は、「旅館総研」をテーマに、多くの皆様の協力を得て、全国各地で勉強会を開催し、バブル崩壊後のリセッションのなかで、どのように経営するか、業界の先行きに不安と夢を持ち、共に語らい、共に学び、多くの友を得ることができました。
07年に全旅連の会長に就任し、NHK受信料問題や東日本大震災の被災者受け入れ・東京電力損害賠償、そして、耐震改修促進法の改正など、就任中には多くの課題がありましたが、皆様のご協力で一定の成果を上げることができました。ご協力に心から感謝します。
そのなかで、とくに思うことは、大災害時の「被災者の受け入れ」についてです。
東日本大震災のとき、報道では30万人以上の方々が避難し、1次避難所が不足していることを知りました。
全旅連として何ができるかと思い、新潟県の野澤幸司理事長に相談すると、04年に発生した新潟県中越地震の際に、高齢者や障害者の2次避難所として旅館が使用されたことを知りました。
震災の2日後には、報道でこれまでに無い人命の危機を感じ、“危急存亡の秋(とき)”と思い、全旅連会長として、被災者の受け入れを決意しました。
そこで直ぐに、国土交通大臣と連絡を取り、全旅連として被災者を受け入れることを表明しました。
その後、担当から連絡があり、具体的に内容を詰めることになりましたが、結果的には3週間以上掛かってしまいました。
災害時は、初期対応が最も大切と言われています。そこで、現在、各県各市町村と各地の旅館・ホテルで災害協定を結んでいますが、市町村ごとに違いがあります。
県を跨ぐ大災害の場合は、全国一律でないと調整が必要になると思いますので、国と全旅連が災害協定を締結し、一刻も早く被災者を受け入れる体制が重要だと思っています。
幸い旅館・ホテルは、災害時にすぐにでも対応できる設備があります。迅速な対応ができるように、国と全旅連の災害協定を望みます。