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「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(140)善のスパイラルを能動的に創ろう 一言、そしてもう一歩

2022年9月18日
編集部:馬場遥

2022年9月18日(日) 配信

 

 「事故なくご返却いただき、本当にありがとうございます」。北海道のレンタカー会社で返却時に掛けられた言葉に、4日間の長距離・長時間移動の疲れが吹き飛びました。

 北海道は広く、道はまっすぐで、走行する車も速度オーバーになりやすく、レンタカー事故も多いと聞きます。だから、とくに慎重な運転が求められます。そのため、非常に疲れを感じながらの返却だったのです。ただ、その言葉で迎えられたとき、ホッとしてうれしい気分になりました。

 さらに、あるホテルでは、チェックインのときにフロントスタッフから「素敵なシャツですね」と、声を掛けてくれました。旅行のために買ったシャツだったので、思わず笑顔になりました。スタッフの一言で、お客様との関係性を素敵なものにできます。その瞬間の接客としても、素晴らしさを感じます。

 ただ、この出逢いを次のステージに引き上げるためには、さらにどのような行動が必要なのでしょうか。

 先日、いくつかのレストランのサービススタッフが集まる特別な食事会に参加しました。それぞれのレストランで活躍する一流のスタッフたちです。そのなかに、数日後に伺う予約をしていたレストランのスタッフが、偶然にも参加していたのです。

 そのことを伝えると、名刺を持って私のテーブルまであいさつに来てくれました。「〇日に予約を入れています。当日が楽しみです」と伝えると、その数日後にメールが入りました。

 「予約を確認いたしました」、「ご来店を楽しみにしております」というメッセージと、「何かお手伝いできることがあれば、遠慮なくお申し付けください」とありました。初めて行くレストランですが、既に知り合いがいると楽しみも倍増します。わくわくした気持ちで、当日を迎えることができたのです。

 レストランに到着したときには、スタッフの笑顔に「ここで良かった」という気持ちを感じさせたのです。食事中のスタッフとの会話も弾み、楽しい時間を過ごすことができました。

 食事が終わるころには、もう次の機会を思い描いていたのです。これが「善のスパイラル」です。このスパイラルを能動的に起こすことが、リピーターづくりのビジネスです。

 お客様へのプラスの一言は、とても大切なおもてなしです。しかし、それだけで終わらせるのではなく、もう一歩踏み込んで、お客様との関係性を築く行動を積極的に取ってみましょう。

 ただ会話をするだけなく、次の出逢いのときには名前を呼んでもらえるように名刺を渡すのも大切な行動です。そこに、目指す「創客ビジネス」が生まれるのです。

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