ピンクリボンのお宿ネットワーク第11回総会 さらなる情報発信で、認知拡大へ 諦めず、楽しい旅と温泉を
2022年9月14日(水) 配信
ピンクリボンのお宿ネットワーク(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将、事務局=旅行新聞新社)は8月25日(木)、東京會舘 LEVEL21(東京都千代田区)で2022年度第11回通常総会を開いた。新型コロナの影響を受けながらも、3年ぶりの対面での総会となった。新年度事業では、マスコミへのさらなる情報発信と、会員や観光関係者、医療関係者、乳がん患者団体などを対象にしたシンポジウム開催や勉強会を開き、社会全体に向けた啓発活動を続けていく。
畠ひで子会長は冒頭のあいさつで、「コロナ禍も3年目。社会は行動制限に振り回され、観光業は最も痛手を受けた。新型コロナの影響で退会・休会をする会員が増えたが、宿泊施設が98軒、旅館組合・女将会が6軒、企業が14社、賛助会員が1社の合計119会員に継続していただいている」と現状を報告した。
「会が発足した2012年は、日本人女性の乳がん罹患率は16人に1人だったが、今では9人に1人だと言われており、年々その割合は高まっている」と話し、「乳がんを患い手術や治療を受けて回復の道を歩みながらも、術後の痕を気にして旅を諦めてしまう女性の皆さんにもう一度誰の目も気にせず旅に出掛けて、旅館や温泉を楽しんでいただきたい」と会の理念を改めて強調した。
これに加え、「患者さんや体験者が宿を利用するとき、恥ずかしくて言い出せずサービスを使わないまま貸切風呂を利用する場合もある。正確なデータは取れないが、周知拡大と宿の新規入会にご協力をいただきたい」と呼び掛けた。
会員報告では、21年度総会後には、バスタイムトップスを開発したGSIクレオス(東京都)が入会。22年度の新規会員には、夕日ヶ浦温泉 風香(京都府)と、白浜温泉旅館協同組合(沼田久博理事長、和歌山県)が入会した。
会の活動としては、「ピンクリボンのお宿」冊子10万部の発行・配布をしたほか、今年の5月30日(月)に開かれたピンクリボンのお宿シンポジウム(石川県・加賀屋グループ あえの風)では、同県すべての地方放送局や地方新聞から取材を受けたことにより、大きな宣伝となったことを報告した。
また、JTBガイアレックのWeb商品との連携では、ピンクリボンのお宿送客実績が、20年度が31軒692人、21年度が26軒682人だったのに対し、今年度は26軒891人を達成した。
新年度事業計画として、「第9回ピンクリボンのお宿」シンポジウムは、結びの宿 愛隣館(岩手県)で来年5月下旬に開く予定。
会員拡大に向けた取り組みとして、総会やシンポジウム開始を記事にして読者に入会を案内するほか、病院への冊子配布と併せて、協力会員の案内を行う。
23年度版ピンクリボンのお宿冊子は、会員宿の温泉情報やクーポンを記載し、10万部を発行する。全国800カ所の病院や47都道府県の福祉課、患者団体、看護師会、全国の主要な図書館などの協力を得て大浴場利用、患者や関係者に配布する。発行日は、今年10月初旬。入浴着を着用して大浴場利用することへの理解を求める、ポスター作製配布についても新規事業として決定した。
総会後は別会場で茶話会を開いた。出席した会員らは各宿の取り組みなどを語り合い熱心に交流を深めた。