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8月の宿泊業倒産は8件 旅行業は4カ月ぶり倒産なし(東京商工リサーチ)

2022年9月20日
編集部:馬場遥

2022年9月20日(火) 配信

東京商工リサーチはこのほど、2022年8月の宿泊業倒産状況を発表した

 東京商工リサーチがこのほど発表した2022年8月の宿泊業倒産は8件(前年同月は14件)だった。5カ月ぶりに前年を下回り、22年1~8月の累計は59件。新型コロナが感染拡大した当初の20年同期は83件、21年同期は63件と、徐々に減少傾向にある。

 8月の新型コロナ関連倒産は5件となり、倒産全体の6割を占めた。

 負債総額は41億5000万円(前年同月比44・8%減)と3カ月ぶりに前年同月を下回った。

 地区別では北陸の3件が最多となり、近畿が2件、関東と中部、中国が各1件と続いた。

 おもな倒産事例では、温泉旅館経営の辻のや(石川県小松市)と、関連の粟津観光金閣が8月16日(火)、金沢地裁小松支部から破産開始決定を受けた。負債は、辻のやが5億3421万円、粟津観光金閣が6億7607万円で、2社合計12億1028万円。

 1956年10月創業の辻のやは、温泉旅館「辻のや花乃庄」を経営し、バブル期には15億円を超える売上高だった。

 しかし、その後は景気の悪化や競争激化から利用客は減少し、2018年4月期には売上高約5億円まで落ち込んでいた。20年以降は新型コロナの影響で予約キャンセルが相次ぎ、6月末にはパート含む約50人の従業員を解雇していた。

 粟津観光金閣は、辻のや花乃庄の姉妹館として「露天のゆ金閣」を経営し、17年9月期には売上高約2億4000万円を計上していたが、18年以降は休館していた。

 今年8月の旅行業倒産は、4カ月ぶりに発生しなかった。8月として倒産が発生しなかったのは、06年以来16年ぶりとなる。

 同社は、「各支援策によって企業倒産は抑制されているものの、8月は観光客を対象に営業していたバスやタクシー事業者の倒産が東京や北海道などで発生した」と認識。9月7日(水)から訪日客の入国制限が緩和されたことを受け、「インバウンドの増加が期待される。しかし、各国による水際対策にはばらつきがあり、引き続き海外旅行の需要回復には時間を要しそうだ」との考えを示した。

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