「めぐる」「たべる」「つかる」 3つの視点で地域の宝探し 黄金色の稲穂が揺れる田園風景のなか、秋のウォーキング(岩手県・鶯宿温泉)
2022年10月11日(火) 配信
鶯宿温泉
岩手県・鶯宿温泉で9月18日、2回目のONSEN・ガストロノミーイベントが行われた。
舞台となった御所地区は開湯約450余年の歴史を誇る鶯宿温泉や雫石の伝説の残る男助山、女助山など豊富な観光資源を有するエリア。参加者は、黄金色の稲穂が揺れる田園風景のなか、秋のウォーキングを楽しんだ。
今回のコースは御所小学校をスタートし、鶯宿温泉街に至る約10㌔。
スタート直後、さっそく稲穂が揺れる田舎道が現れ、里山の秋を実感しながら歩くこと約1・8㌔、御所公民館が1カ所目のガストロノミーポイント。ここではしずく庵の手打ちそばと雫石重っこ料理が地酒南部美人ひと雫「あぜ道」や雫石トマトジュースとともにふるまわれた。
重っこ料理は、農村行事などの際に、山菜料理などを重箱に詰め互いに持ち寄り、皆でまわして食べる同町の伝統文化。今回は、生で食べられるカボチャのコリンキーやミニトマトなどを使用したピクルスで楽しんだ。
公民館を出発後、男助山、女助山が見えるポイントで絶景を楽しみ、2カ所目のガストロノミーポイント、旧南畑小学校へ。ここでは銀河のしずく塩にぎり、南部かしわ汁、菜種油のから揚げをしずくの甘酒やベアレン醸造所の缶ビールと一緒に楽しむ。
ステージでは、雫石高等学校郷土芸能委員会に所属する高校生が「南部よしゃれ」や「駒木野さんさ」などを披露し、参加者に郷土の文化を紹介してくれた。
3つ目のガストロノミーポイント「ホテル 森の風鶯宿」では、さくら亭のホルモン焼きと数々の賞に輝いている雫石牛の焼き肉を、ベアレン醸造所の生ビールとともに堪能。
食後は、ホテル併設の「フラワー&ガーデン森の風」へ。同施設は、世界的なランドスケープアーティストである石原和幸氏が手掛けた、日本最大級の本格的ガーデニング公園。色とりどりの花々と針葉樹の織り成す景観が、疲れを忘れさせてくれた。
ガーデンを出発後は、「逢滝」へ。幾層もの岩場を流れ落ちる水が生み出す景観は一見の価値があり、紅葉の時期はとくに美しいという。
滝を後にしばらく進むと鶯宿の温泉街に到着、そしてゴールのうぐいす湯の里公園では岩手各地に伝わる伝統的な餅菓子きりせんしょ(餅工房むらかみ)などのスイーツがお出迎え。
参加者は「雫石高校の学生さんによる伝統芸能の披露が印象に残った」、「おいしい食があるこのまちに住めてうれしいと改めて感じられた」、「雫石の魅力が詰まったイベントで、楽しかった」など感想を語った。
□イベント担当者の声
鶯宿は450年の歴史ある温泉地ですが、年々観光客数が減少しています。
2020年度に鶯宿温泉の活性化をはかり、御所地区の住民でイベントを企画、今回2回目の開催となります。
コースは、「色づく稲穂」と「岩手山や男助山、女助山に囲まれたロケーション」を見ていただきたいと選定しました。
今回のイベントは、学校を始め、ホテルなど鶯宿温泉各施設の協力、また住民スタッフの力で成功させることができました。
今後の計画は未定ですが、他地区でも開催できればと考えます。