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余暇市場は56兆円、観光関連の落ち込み続く(レジャー白書2022)

2022年10月26日
編集部:長谷川 貴人

2022年10月26日(水)配信

余暇活動の参加人口上位20種目(2020年~2021年)

 日本生産性本部(茂木友三郎会長、東京都千代田区)の余暇創研が10月25日(火)に発表した「レジャー白書2022」によると、21年の余暇市場の全体規模は前年比1.0%増の55兆7600億円だった。コロナ禍が続いた21年は、動画鑑賞や読書をはじめとする在宅レジャーの参加人口が上位となる一方、観光やドライブなどの遠方への移動を伴う余暇が減少した。

 余暇活動の参加人口は、前年から50万人増やした「読書」(3700万人)が初の首位となったほか、「動画鑑賞」「音楽鑑賞」などの在宅レジャーが上位だった。「国内観光旅行」「ドライブ」などの遠方への移動を伴う種目は、前年に引き続き順位と参加人口が低下した。一方で4位の「外食」、5位の「ウォーキング」など、4種目は参加人口が減少したものの順位は上昇。上位20種目中7種目が前年の参加人口を上回ったが、いずれも100万人以下の増加となった。

多くの分野で復調傾向、観光・行楽部門は微増

桜美林大学の山口有次教授が余暇市場の動向を解説した

 コロナ禍で前年に大きく落ち込んだ余暇市場だったが、多くの分野で復調傾向。しかし、さらに落ち込む分野もあり、トータルでは若干のプラスであるものの、コロナ禍前の19年比では77.1%の水準で、依然回復には至っていない状況だ。

 部門別にみると、スポーツ部門が前年比10.7%増と復調。趣味・創作部門は同2.7%増、娯楽部門は同0.1%減、観光・行楽部門は同0.4%増となった。

 観光・行楽部門については、遊園地・レジャーランド、ホテルがやや復調。旅行業のダメージが大きく、鉄道、バス、航空も前年ほどではないが落ち込みが続いたため、部門別では微増だった。

 同日、東京都内の記者会見に桜美林大学ビジネスマネジメント学群の山口有次教授が出席し、市場の動向を解説した。観光・行楽部門の市場規模の推移について「観光全体の動きが芳しくないなかで旅館や鉄道、バス、航空などの移動手段などが総じて減少し、歴代最小規模を記録している」と説明した。

高齢者の余暇を調査、約半数がウォーキング

 また、多くのレジャー産業において高齢者の参加が課題となっていると説明。そこで今回、80歳以上の余暇活動の参加状況を把握するため、従来の調査とあわせて80代を対象とした特別調査を行った。この結果、65~79歳と似た傾向を見せ、参加率はそれらと大きな差がないと分かった。

 どちらも「ウォーキング」「園芸・庭いじり」「読書」など、自宅や場所を選ばない種目が上位に並んだ。とくに「ウォーキング」「園芸・庭いじり」は、どちらでも参加率が約半数。80代の場合、「国内観光旅行」が65~79歳と比べてやや低い順位となった。

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