訪日消費5兆円達成へ 各省庁施策を総動員した政策パッケージを発表
2022年11月1日(火) 配信
政府は10月28日(金)、観光立国推進閣僚会議の第17回会合を開き、「インバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージ」を決定した。インバウンド消費5兆円超を速やかに達成するため、「関係省庁の施策も総動員して集中的な取り組みを行う」(政府)考え。
この政策パッケージでは、日本各地の魅力を全世界に発信する「観光再始動事業」をはじめとした取り組みを実施し、円安のメリットを生かしていく。
政策パッケージの4つの柱として、①特別な体験の提供②大自然の魅力を活かした新たな体験の提供③イベントをフックとした誘客の促進④戦略的なプロモーション、CIQなどの受入環境整備──を掲げた。
「特別な体験の提供」は、世界遺産である姫路城の天守閣の限定公開などをはじめ、全国で特別な体験や期間限定の取り組みの提供を推進するもの。
アドベンチャーツーリズムなどの新コンテンツを、「大自然の魅力を貸した新たな体験の提供」として推進する。国立公園満喫プロジェクトも、夜間活用の促進などを通してもう一段階深化をはかっていく。
「イベントをフックとした誘客の促進」として、観光×アートや、スポーツ、テーマパーク関連イベントなどを用いて全国各地への誘客をはかる。
また、日本の観光の再始動をSNS(交流サイト)やテレビCMなどを活用して戦略的に発信する。このほか、CIQ(税関・出入国管理・検疫)体制をさらに高度にしていくことで、受入環境整備を推進する。
これらの取り組みには、観光庁だけではなく、
▽内閣府(デジタル田園都市国家構想交付金の活用)
▽国土交通省(官民連携等による地域観光等の拠点となる都市公園の整備等ほか)
▽文化庁(日本博を契機とした観光コンテンツの拡充「日本博2.0」ほか)
▽農水省(地域の食体験コンテンツの造成・磨き上げ、一元的な情報発信)
▽宮内庁(正倉院関連イベント)
▽環境省(国立公園満喫プロジェクトほか)
▽スポーツ庁(大規模国際スポーツ大会開催準備)
▽外務省(国際交流基金による地域の魅力の発信ほか)
▽経済産業省(コンテンツ海外展開促進・基盤強化事業ほか)
▽入管庁(円滑な出入国管理の実現ほか)
▽厚生労働省(地方空港における検疫業務実施体制の整備ほか)
──など各省庁の施策も含まれる。