日本バス協会、業界初の決起大会 政府に支援強化を求める
2022年11月14日(月)配信
日本バス協会(清水一郎会長)は11月10日(木)、東京・永田町の自由民主党本部で「バス危機突破 総決起大会」を開き、バス事業に対する税制・予算による支援強化を政府に求めた。大会では出席した自民党国会議員らにバス業界の危機的状況を訴え、固定資産税減免などの従来と異なる実効性のある支援を要望することを決議した。バス業界単独で決起大会を開いたのは、今回が初めて。
同協会と自民党バス議員連盟が共同で決議した政府への要望は、①バス事業者の固定資産税減免②全国旅行支援をあと3年は実施③EV(電気自動車)バス補助の大幅増加――の3点を求めた。
バス業界は過疎化や少子高齢化に加え、コロナ禍で人流抑制などが重なり、乗合バス、貸切バスともに地域を問わず苦境に立たされている。さらに、燃料高騰によるコスト負担増大も加わり、危機的状況に陥っている。
あいさつをした同協会の清水会長は「人流抑制により10年先の厳しさが今、崖っぷちまでやってきた。地域公共交通の最後の砦、最後の手段となるバスを何とか守っていきたい」と意気込んだ。
大会当日は全国のバス事業者ら約200人、自民党からは萩生田光一政調会長、自民党バス議員連盟の逢沢一郎会長、同議連の武井俊輔事務局長らをはじめとする国会議員99人が出席した。
萩生田政調会長は「全国各地のバス事業者が赤字基調に苦しむなかで、初めてこのような大会が開かれたことは業界の危機感の表れと受け取っている。固定資産税減免の要望や燃料高騰、ドライバー不足のような構造的な問題など解決すべき課題は山積している。党として正面から取り組みたい」と力を込めた。
自民党バス議連の逢沢会長は「バス業界の経営危機の突破口を、来年度の税制改正や予算編成で実を挙げていかなければならない。皆で力を合わせて、しっかりと成果を挙げていきたい」と語った。
大会決議は武井バス議連事務局長が読み上げ、最後に清水会長の「ガンバローコール」で大会を締め括った。