「めぐる」「たべる」「つかる」3つの視点で地域の宝探し 北海道最北「日本のてっぺん」稚内でイベント開催
2022年11月16日(水) 配信
北海道本島最北「日本のてっぺん」に位置するまち稚内市で9月24日(土)、3回目のONSEN・ガストロノミーウォーキングが開かれた。
JR稚内駅と駅前バスターミナルが併設された複合ビル「キタカラ前」をスタートし、「北防波堤ドーム」や、神職が常駐する神社としては日本最北に位置する「北門神社」、昭和20年代に、沖合底曳漁業の親方「瀬戸常蔵氏」の邸宅として建てられた「旧瀬戸邸」などを巡り「副港市場」に至る約7㌔のコース。当日は地元の高校生もボランティアとして参加者をもてなした。
ガストロノミーポイントでは、味覚でも稚内を参加者に感じてもらえるよう「稚内ブランド」の食材をふんだんに使用した料理を用意。宗谷産のタコと稚内で水耕栽培された葉野菜を使ったカルパッチョ風サラダや宗谷産ホタテ入りミニ海鮮丼、勇知いもで作るプリンのポテラーナなどを提供した。
稚内観光協会事業推進担当の岩木直人氏は、「3年ぶりとなる今年は、地元の方が稚内を再発見できるコースとグルメを取り入れることを意識しました。車で行く方が多い稚内公園などを徒歩で散策していただくことにしたので、登山的な要素も街中で楽しめることを知っていただけたと思います」とイベントを振り返る。
「楽しく歩いて美味しい食べ物を食べられて嬉しかったです。また参加したいです」など、参加者からも好評を博した今回のイベント。
ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構の堀口隆氏は「北の味覚を中心とした提供する食の充実」を稚内でのイベントの特徴に挙げ「食を提供するポイントが7キロのコースの中で9カ所設定されており、お酒の量も多く、まさにガストロノミーウォーキングの醍醐味を感じていただける内容となりました」と総括した。そのうえで、「終了後には継続開催を望む声を多くいただけたほか、参加者アンケートも満足度が94・3%、イベント推奨度が100%と高評価をいただくことができました。今後も、回数を重ねることでリピーターにも応えられるイベントに成長させていきたいです」と思いを語った。
□ON・ガスイベント100回目に寄せて
2016年11月に大分県別府市で初めて開催したONSEN・ガストロノミーイベントも、9月23日に北海道稚内市で行われたイベントで100回目を迎えることができました。新型コロナウイルス感染症の影響でイベントが開催できない時期もありましたが、ここまでこられて感無量です。
多様性のある日本の魅力を生かした各地域ならではのイベントを、長期滞在や食べ歩きを楽しむホッピングなどの形式も模索しながら続けてこられたのは、地域の皆様の協力のおかげです。
イベントの魅力は、地のモノを食べながら美しい景色を見て1日を過ごすこと。そして、地元の人との触れ合いです。ここまで多くの方に喜んでいただけたのは、景色や食など日本の多様性を楽しめるということだと私は思っています。
これからの観光業界は、コンテンツの時代になると思います。こうした時代の中で地域に人を呼び込むには、食や歴史などその土地ならではの素材をどう魅力的に発信できるかに尽きると思います。我われもさまざまな形式のイベントを全国で開催し、その力になりたいと思います。併せて、20年に台湾で開催したようにイベントの国際化も進めていきます。
【ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構 理事長 小川正人】