No.390 日本秘湯を守る会 40周年座談会 - 「情けの旅文化」~継承と共創~
日本秘湯を守る会 40周年座談会
「情けの旅文化」~継承と共創~
日本秘湯を守る会(佐藤好億会長、179会員)が今年創立40周年を迎えた。1975年4月に東京・上野精養軒で33人の小さな仲間からスタートし、激変してきた観光業界のなかで、「情けの旅文化」や自然環境を守り続け、発展してきた。12月15日には、創立の地・上野精養軒で40周年記念式典を開く。本紙は「継承と共創」をテーマに佐藤会長をはじめ6人による座談会を開き、次世代へつなぐ「日本秘湯を守る会」の将来ビジョンを熱く語り合った。
【司会=本紙編集長・増田 剛】
地域の文化財として宿を守る
――40年前、日本秘湯を守る会創立時の社会状況はどのようなものでしたか。
■佐藤:創立当時の昭和50年代は戦後からの復興の後半期。経済状況でいえば右肩上がりで、現在の「アベノミクス」の状況は当時と似ている面があると思います。そのような社会状況のなかで、観光地化できない湯治場では「未来がない。ビルディングのような館を追いかけていかなければ経営は難しい」と考えていました。そんな時代に、一山越えたところにひっそりとある宿はお互いに共通の認識や意識もあり、「秘湯とは人なり」という話を申し上げても通じ合えるものを感じました。囲炉裏端の灯りを提灯の中に取り込んで未来を考えようと語り合いながら、仲間づくりをしてきました。…
※ 詳細は本紙1571号または12月16日以降日経テレコン21でお読みいただけます。