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韓国・扶余郡、旅行会社と懇親会 早期回復とイベント送客求める

2022年12月7日
編集部:木下 裕斗

2022年12月7日(水) 配信

日本の旅行会社6社(左側)などと意見交換を行った

 韓国・扶余郡は12月6日(火)、東京都内で旅行会社やマスコミを集め、観光懇親会を開いた。日韓両国でビザなし渡航が可能になるなど本格的な観光交流が再開されたことで、早期に日本からの渡航者数を増やしたい考え。また、来年9月~11月に開催するイベントを告知し、送客を求めた。

 扶余郡は、韓国の中部に位置する。アクセスはソウルから車で約2時間30分。鉄道とバスを利用する場合は、2時間ほどとなる。

 西暦538~660年に存在していた国「百済」の首都であった同郡の定林寺には、当時の象徴という5重の石塔がある。また、国を守る防御壁などで構成される羅城も位置する。

 両施設と、このほか2カ所はユネスコ世界遺産に認定されている。

 また、来年9月23日(土)から10月9日(日)まで百済の歴史を五感で体験するイベント2023大百済展を開催する。期間中には百済時代をイメージしたパレードのほか、当時を再現した王様の即位式を行う。

 外国人来訪者数を10万人以上にするため旅行会社からの送客を促そうと、扶余郡が位置する忠清南道は15人以上の団体客商品に、貸切バス補助金として1泊で60万ウォン(約6万円)を支援。2023大百済展期間中には65万ウォン(約6万5000円)を支給する。

 朴東淳観光振興チーム長は「コロナ前の日本人観光需要を回復するために本会を開催した。インセンティブを用意したので、送客してほしい」と呼び掛けた。

 読売旅行の松江雅彦執行役員は全国旅行支援における制度の複雑さに触れたうえで、「インセンティブを用意してくれる場合は、簡潔にしてほしい」と求めた。

 鄭俊秀文化祝祭チーム長は「できる限り簡単にしたい」と応えた。

教科書にも掲載 日本対象フェスも

 観光懇親会の前日となる12月5日には朴観光振興チーム長と鄭文化祝祭チーム長、柳和廷氏が、本紙東京本社を訪れ、扶余郡の観光とウォーキングフェスタin百済についてのインタビューに応じた。

(左から)朴東淳チーム長、鄭俊秀チーム長、柳和廷氏

 ――扶余郡の魅力は。

 朴:百済が現在の中国にあった国「唐」に攻められたとき、日本は戦に参戦してくれました。日本の教科書の複数ページに記載されるほど、日本人にとって馴染み深いと思います。扶余では百済と日本の関係性の深さを体感することができます。

 鄭:歴史を通じた観光を楽しんでもらうため、来年11月ごろ日本人を対象に、約5・1㌔歩いて世界遺産などを巡るウォーキングフェスタin百済を開催します。

 ――グルメについて教えてください。

 朴:名産品はうなぎです。養殖はうなぎ同士がぶつかることで、抗生物質を発生させてしまうことがありますが、扶余郡のうなぎの多くは天然であるため、体に優しいです。

 ――旅行会社へのメッセージをお願いします。

 朴:コロナ前は日本から多くのお客様を送客してくれて大変感謝している。その恩返しとして、日本人が楽しめるイベントのほか、インセンティブも用意する。扶余について関心を持ってほしい。

――ありがとうございました。

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