鹿児島県旅行業協同組合、障害者支援研修開く 国体前に訪れやすい環境整備へ
2022年12月26日(月) 配信
鹿児島県旅行業協同組合(中間幹夫理事長)は12月9日(金)、かごしま県民交流センター(鹿児島県鹿児島市)で「~鹿児島をだれもが楽しめる観光地へ~観光・旅行のサポーター育成研修」を開いた。
2023年の国民体育大会「感動かごしま国体」を前に、観光地やレストランなどでの障害者の支援方法を伝えることで、すべての人が訪れやすい環境を整える。当日は16人が受講した。また、研修会終了後に20人がユーチューブで視聴する予定だ。
はじめに、自立センターてくてくの川崎良太氏が「心のバリアフリーとは」をテーマに登壇した。
車イスユーザーでもある川崎氏は主体的に選択と決定、責任を持って行動する自立生活を送っていることを紹介。そのうえで、海外旅行や結婚など健常者と同じ体験をしたことについて、「これらは当たり前にしたいこと。視点を変えてほしい」と話した。
次に、盲導犬ユーザーでアイメイト会長の春田ゆかり氏が「視覚障がい者への誘導のコツ」を講演した。
はじめに白杖を使用する人を導く際、介助者はその人の半歩前に立って肘から肩に触れてもらいながら案内することを勧めた。
盲導犬については、前に人が立つと止まってしまうため、障害者の後から行ってほしい方向を伝えることを要望した。
春田氏「すべての人が住みやすい街づくりをするために、努力していきたい」と語った。
福祉生活協同組合むぎのゆめの常務理事有村宣彦氏は「車いすの扱い方」をテーマに登壇した。
急に止まったり、曲がることに危険に感じる車イスユーザーが多いため、介助者には事前に動作を伝えることを勧めた。また、段差を乗り越えるために前輪を上げる際、ユーザーが後ろに倒れることによる恐怖を感じないよう、緩やかな介助を求めた。
最後に、旅のユニバーサルデザインアドバイザーでUDラボ堤玲子氏が「レストランや土産物売場での声掛け方法」について説明した。
冒頭、鹿児島市内には、路面電車の線路と交差する横断歩道が多いことに触れ、「車イスユーザはレールにつまずきやすい。(電車が来てしまった際は車イスユーザーから)助けを求める時間もないので、積極的に声を掛けてほしい」と語った。
またレストランでは、車イスから降りて、健常者と同じように座りたいユーザーが多いことを紹介。「障害のレベルを確認して、その人のお願いを聞いてほしい」と話した。
土産物売り場については、「多くの障害者は普段あまり出掛けないため、大量にお土産を買う」という。
そのうえで店舗のスタッフは、車イス利用者に目線を合わせ、高い位置にある商品を代わりに取ることを勧めた。
また、財布からお金を出して、商品とお釣りをもらうなど健常者にとって当たり前の動作について、「人間の尊厳を思い出すことができ、うれしく思うため、介助者ではなく、障害者を相手にしてほしい」とした。
最後に堤氏は「さまざまな人をつないで、鹿児島を活性化していきたい」とまとめた。
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