22年の宿泊業倒産は76件 負債は前年比83%減の236億円(東京商工リサーチ)
2023年1月15日(日) 配信
東京商工リサーチがこのほど発表した2022年(1~12月)の宿泊業倒産は、前年比11・6%減の76件だった。2年連続で前年を下回り、19年以来3年ぶりに70件台となった。このうち新型コロナ関連倒産は全体の7割を占める55件となり、前年比から17・0%の増加となった。負債総額は同83・0%減の236億3400万円と、2年ぶりに前年を下回った。
22年通期の原因別では、「販売不振」が同7・4%減の62件で、全体の8割を占めた。
形態別では「破産」が最多の59件。
負債額別で見ると、10億円以上が5件、5億円以上が7件、1億円以上が38件、5000万円以上が12件、1000万円以上が14件と続いた。
地区別では、関東が17件と最多。次いで、中部と九州が各11件、近畿が10件、北陸が8件発生した。
22年通期の旅行業倒産は同41・9%増減の18件発生し、3年ぶりに前年を下回った。負債総額は同57・6%減の18億3200万円。継続して行われた無利子・無担保融資や、債務返済猶予の特例措置、雇用調整助成金などの支援策が功を奏した。また、3月下旬に行動制限が解除され、国内旅行の需要回復が後押ししたカタチとなった。
新型コロナ関連倒産は17件と、全体の9割超を占めた。
同社は、22年通期の宿泊業倒産状況について、「遠出での観光や出張による宿泊需要が消失したほか、地方を中心に、コロナ禍を理由とした倒産の占める割合は高水準で推移した」と分析。
旅行業においても、インバウンドの回復が順調である一方で、円安などの影響もありアウトバウンド需要には不透明感が強く、「海外旅行を主力に展開する事業者では、当面我慢の経営が続きそうだ」とみている。