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日本バス協会、決起大会の要望達成 業界として大きな第一歩

2023年1月19日
編集部:長谷川 貴人

2023年1月19日(木)配信

日本バス協会の清水一郎会長

 日本バス協会(清水一郎会長)は1月17日(火)、東京都千代田区の経団連会館で通常理事会を開き、コロナ禍の3年間で追い打ちを掛けられたバス業界の危機感を訴えた。清水会長は、昨年11月に自由民主党本部で同協会が初めて開催した「バス危機突破 総決起大会」が危機感の表れであると強調した。

 決起大会で決議された固定資産税の減免、全国旅行支援の延長、EVバス補助の大幅増額に関しては、与党に対する要請を行った結果、どれも認められたと報告。清水会長は「我われにとって本当に勇気づけられるとともに、バス業界としても大きな第一歩になった。引き続き働き掛けていく必要がある」と語った。

 乗合バス事業については、地域からの交付税措置では追い付かず、赤字が続く厳しい状況にあると言及。「交付税措置をバス業界に届くようにしなければならない」と述べたうえで、「もっと支援の厚みを厚くしてもらわないとならない。今年はこれを大きなテーマとしてやっていきたい」と力を込めた。

 貸切バス事業については、約3年間の人流抑制よる旅行控えの影響が大きく、厳しい状況が続いている。1月10日(火)に再開した全国旅行支援に対して、人流抑制期間と同様に「最低3年間は続けてほしい。全国旅行支援という国のお墨付きが不可欠であり、国が団体旅行に行って良いという旗を振り続けていてほしいと言い続けていく」考えを示した。

 続けて、EV(電気自動車)バスについては、要望活動により補助金が増額されたことで、2023年度の導入支援予算として約100億円、約500台分を見込んでいる。清水会長は「23年をEVバス元年」とし、EVバスの普及に力を入れる。加えて、「30年にEVバスの導入数1万台」を目指すと明かした。

 また、人手不足が非常に深刻な課題と評した。「根本的な解決には賃金を上げるために、運賃を上げるしかない。国の緩和により運賃改定が順次進んでいるが、運賃を上げて賃金アップに反映できれば人が集まり、そしてバス産業が夢のある魅力的なものであるという循環が不可欠」。それに加えて、外国人労働者がバスの運転者として仕事ができるように、国や国会議員含めて理解が得られるように働き掛け、人材確保の可能性を広げていきたいとした。

 バスの安全性については、7年前の軽井沢スキーバス事故に触れ、悪質事業者の退出は国でしかできないと主張した。国には「運行管理が不十分な悪質事業者を退出させるため、事故が繰り返さないように制度、仕組みづくりが喫緊に必要。踏み込んだ措置を徹底的にやってもらいたい」と強く求めた。

 なお、9月20日(水)の「バスの日」で、日本初の路線バスが走ってから120年を迎える。これを踏まえて、清水会長は「協会として本の出版やWebなど、さまざまな前向きな発信を考えている」と準備を進めている。

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