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22年訪日客は前年比16倍 中国との相互交流回復が待たれる(観光庁長官会見)

2023年1月20日
編集部:馬場遥

2023年1月20日(金) 配信 

観光庁の和田浩一長官は1月18日(水)、会見を開いた

 観光庁の和田浩一長官は1月18日(水)に開いた会見で、2022年の訪日旅行者数が、21年比約16倍となる383万1900人(19年比88.0%減)となったことを報告した。昨年12月単月は、21年同月比で約113倍となる137万人。19年12月と比べると、中国を除いて74%まで回復した。和田長官は、「水際対策の緩和や円安の効果があいまって、訪日客数と旅行消費額の両方が堅調に回復しつつある」と分析した。

 観光庁によると、コロナ前の19年には中国の訪日客数が959万人と、訪日外客数全体の3割を占めており、一番の市場だった。しかし、昨年22年の中国人観光客は19万人に留まり、全体の5%に満たなかった。

 和田長官は、「重要な市場である中国に対して、感染状況の改善が見られ、双方向の相互交流が円滑に行われるようになることを望んでいる」とし、円滑な交流が再開した際のプロモーションの内容も含め、日本政府観光局(JNTO)と検討を進めていく方針だ。

 また、日本ASEAN友好協力50周年を迎えることに触れた。双方の人的交流の拡大に尽力し、19年には日本から570万人を送客し、ASEANからは390万人が日本に訪れ、双方で約1000万人近くまで拡大していたことを報告。

 新型コロナの影響で大きく減少した交流人口だが、「22年からは日本を含む各国で水際措置の緩和などが進み、人的交流の回復が進んできている。観光交流の回復と拡大のほかに、世界各国が抱えている持続可能な観光の実現に向けた協力体制の構築など、さまざまな面で協力関係を築くことを望む」(和田長官)。

 また、「50周年という記念すべき年であるので、この機会に意見交換を通じて協力関係を一層強化し、双方の発展につなげていきたい」考え。

 

新観光立国基本計画、3つの戦略盛り込む

 23年度の観光政策については、国内外の観光需要の本格的な回復拡大をはかっていくことが重要という認識のもと、旅行者の意識変化やこれまでの課題を踏まえて、3つの戦略を総合的かつ強力に推進していきたい方針を示した。

 「持続可能な観光地域づくり」、「インバウンド回復戦略」、「国内交流拡大戦略」──の3つの戦略を、今年3月までに策定する新たな観光立国推進基本計画に盛り込みながら、「日本の観光の持続可能な形での復活に向けてしっかりと取り組む」(和田長官)と話した。

 

全国旅行支援再開 観光地へにぎわい戻る

 昨年10月11日(火)から開始した全国旅行支援について、和田長官は、「非常に多くの方々に利用いただいて、昨年10~11月の日本人の国内宿泊者数は、コロナ前を上回るカタチとなった。訪日旅行者数も、12月にはコロナ前の半分程度に回復してきていることもあいまって、観光交通分野の需要が徐々に回復し、全国の観光地ににぎわいが戻ってきている」との認識を示した。

 各都道府県の予算がなくなり次第、事業は終了する。少なくとも3月までは実施する見込み。

 全国旅行支援後の需要喚起策については、「業界のなかには細く長く支援を続けてほしいという声があるが、一方で、今後は国の需要喚起策に頼らずに自立的な経営を目指すべきだという声もあると承知している。したがって、今後の需要喚起策については業界とよく相談しながら、需要動向や感染状況を踏まえて、適切に対応する」方針を示した。

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