「津田令子のにっぽん風土記(93)」マリンブルーの似合うまち~ 静岡県御前崎市編 ~
2023年1月25日(水) 配信
御前崎岬の先端にあり駿河湾を目の前に臨むマリンパーク御前崎。人気の屋根付きすべり台「タートルスライダー」からは青い海と空を独り占めできると評判だ。そこを会場に4月22、23日の2日間行われるのが、シーサイドピクニックという春の一大イベントだ。
「昨年3年ぶりに開催され、多くの方に来ていただきました。今年もドッグランや、御前崎市商工会員による飲食・物販ブース、フリーマーケットや大道芸などが予定されていて多くの方が楽しみにされています」と御前崎市観光協会の小野木邦治事務局長は話す。「イベント以外にも、御前崎の春は魅力満載です。御前埼灯台下の海沿いでは磯遊びが楽しめます。干潮時には岩肌が現れ、色々な海の生き物を見ることができます」。
灯台下で遊んだあとは、ぜひ御前埼灯台に立ち寄りたい。1874年、イギリス人技師の監督のもとに誕生した白亜の洋式灯台で、強風や地震などの被害にも屈することなく、美しい姿を保ちながら海の安全を見守り続けている。
国の重要文化財に指定されており、全国で登れる灯台16のうちの1つ。小野木さんは「マリンブルーの海岸線を灯台に向かって走る春のドライブはテンションが上がります。緩やかな上り坂を登り、そこから下るとき目の前に海が迫るように広がり、直後に灯台が見えてくるのです。何度見ても感動する光景です」と目を細める。灯台広場もリニューアルされており、「ここから眺める水平線は最高なので、ぜひ体感してほしい」と語る。
御前崎といえば、マリンスポーツの聖地でもある。何といってもウインドサーフィンが人気で、県内外から多くのサーファーがここの波を求めて訪れる。また、サーフボードに乗って楽しむスタンドアップパドル(SUP)もこれからの季節にぴったりという。
海の恵みを享受している御前崎ならではの現象として「11月~3月までは海から朝日が昇り、海に夕日が沈みます。これらを見るだけでも感動していただけると思います」。
さらにゴールデンウイークには、新茶のシーズンとなり、海産物では初ガツオが獲れ始め、しらすも春から揚がり始める時期という。「春を感じにお越しいただきたいですね」と小野木さん。
東京からは車だと東名高速道路の相良牧之原ICから約30分、電車では東海道線菊川駅からバスで1時間ほどで、マリンブルーの似合うリゾート地に到着できる。
津田 令子 氏
社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。