サービス連合、全組合ベア1%以上要求へ 「人材確保に欠かせない」
2023年1月30日(月) 配信
サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(後藤常康会長)は1月26日(木)に会見を開き、2022年秋闘の結果と23年春闘の方針を発表した。23年春闘では、3年ぶりにすべての加盟組合が1%以上のベースアップを要求する。
櫻田副会長は「業界全体で人手が不足している。人材の確保と定着のため、賃金と労働条件の改善は欠かせない。物価高や観光需要の回復もあり、機運は高まっている」とした。
一方、連合が掲げるベア3%程度と乖離があることにも触れ、「コロナ禍で財務状況が厳しい事業者も多い。業績が好調な組合は積極的に1%以上となるよう交渉していく」とした。
労働条件については、観光需要の回復で長時間労働が顕著になる見込みであるため、総実労働時間を1800時間、1日の所定時間を7時間30分以内にすることを目指す。大企業では23年4月から、男性の育児休業取得率の公表が義務化されることを受け、対象となっていない企業でも育児休業全般について協議する。
22年秋闘では、昨年12月16日(金)までに集計できた95組合の冬期一時金支給月数の単純平均は、前年同季期比0・63カ月増の1・36カ月だった。このうちホテル・レジャー業の52組合は、同0・34カ月増の0・93カ月。ツーリズム・航空貨物業の43組合は同1・02カ月増の1・88カ月と大幅に増加した。
全国旅行支援の開始や水際対策の緩和されたことが主な要因で、ツーリズム業では、自治体からの受託事業などによる業績向上も後押しした。