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〈旬刊旅行新聞2月1日号コラム〉2類相当から5類に移行へ―― ビニール手袋やアクリル板も判断必要

2023年2月1日
編集部:増田 剛

2023年2月1日(水) 配信

 政府は5月8日から、新型コロナウイルスの感染症法上の分類を2類相当から5類に移行すると発表した。これを受けて、日本旅行業協会(JATA)の髙橋広行会長は1月27日、「旅行業界として歓迎する」とのコメントを発表した。

 

 今年1月10日に開いたJATA新春記者会見で、髙橋会長は「一刻も早く、2類相当から5類への見直しを実現していただきたい」と強く要望した。国内旅行はコロナ禍前と比較して8~9割ほどまで回復してきているが、2023年の最重要課題とする「海外旅行の復活」にはまだほど遠く、4割程度にとどまっている。

 

 低調な要因として、「入国時のワクチン3回接種、もしくは72時間前の陰性証明の取得が足枷になっている。世界的にも類を見ない規制だ」と髙橋会長は説明した。

 

 

 とりわけ若い世代にとって海外旅行の敷居は高い状態にある。10代の学生などは3回以上のワクチン接種を行っている割合は高齢者ほど高くない。このため、コロナ禍の3年間に、海外修学旅行の中止や延期が相次ぎ、国際交流プログラムや留学などもストップした。

 

 本来であれば、この2―3月は卒業旅行シーズン真只中だ。旅行会社も多種多様なツアー企画が百花繚乱の状況だった。

 

 おそらくパスポートを持っていない若者は増えているだろう。一度も海外旅行を経験せずに社会に出る世代となる。コロナ禍であっても国際化の流れは確実に加速しており、世界はますます狭くなり、情報も人の流れもビジネスも国境の垣根が無いがごとく、越えていく。

 

 海外旅行の復活は容易ではない。2019年に長年の悲願だった日本人海外旅行者数2千万人を達成したが、コロナ禍の20年には317万人、21年には51万人まで落ち込んだ。ほぼ消失してしまった市場の再構築に向けては、「パスポートの取得」という第一歩からの再スタートになる。かく言う私もふとパスポートを見ると、有効期限が切れてしまっていた。煩雑な手続きが簡素化されることを期待して、早急に再取得する予定だ。

 

 

 国内の観光地に目を転じれば、全国旅行支援の後押しもあってか、押し並べてにぎわいを感じられるようになってきた。苦境が続いた観光業界が元気になり、地域が活性化しなければ、日本経済も回らない。

 

 1月下旬には、猛寒波が襲う北海道・西胆振エリアに飛び立った。白銀の登別温泉や室蘭市、伊達市、白老町などを視察した。北海道はクルマやバイクで旅をすることが多かったが、今回は在来線やバスなど公共交通機関での移動が多かった。

 

 室蘭本線の登別駅から登別温泉に向かうバスには、韓国や香港、台湾など海外からの旅行者で満員。日本人は私しかいないような状態だった。電車の本数が限られており、雪の影響もあって交通は乱れた。不便さも感じたが、電車やバスの旅の良さも改めて感じた。外国人観光客の目線で日本の公共交通機関を利用してみる絶好の機会にもなった。外国人観光客もしっかりマスクをしていた。

 

 

 マスクの着脱は個人の判断に委ねられたが、例えば旅館・ホテルのビュッフェ会場では、マスクだけでなく、ビニール手袋やアクリル板をいつまで継続し、いつ撤去するのかの判断もさまざまな価値観のなかで必要となる。

(編集長・増田 剛)

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