長野県と諏訪観光協会 長野県・上諏訪でUTセミナー開催
2023年2月4日(土) 配信
「ユニバーサルツーリズム推進セミナーin上諏訪」が昨年11月16日、長野県諏訪市で開かれた。主催は長野県諏訪地域振興局、諏訪観光協会。ちの観光まちづくり推進機構が後援。宿泊事業者を中心に鉄道業、銀行業、地域づくり団体など約30人が参加した。高齢者や障害者など誰もが観光を楽しめるユニバーサルツーリズム(UT)をテーマに、旅行事業者の視点を取り入れながら、これからの観光地域づくりの方向性を探った。
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諏訪地域では、観光庁の「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化」事業に採択された地域を中心に宿泊施設の改修が行われ、UTの受入態勢が強化されている。これらの取り組みを生かした効果的な誘客や、地域経済の活性化などを目指している。
同セミナーでは「すべての人が楽しめる観光地を目指して」をテーマに、JTB総合研究所・UT推進担当主任研究員の勝野裕子氏が基調講演を行い、日本を含めたアジア諸国が高齢化、UT対応は今後重要なマーケットになると解説。旅行に行く前の不安を取り除くことが、旅行に行きたくても行けないと思っていた新たな客層の獲得につながると指摘し、個別のニーズに合った配慮には、お客様とのコミュニケーションが重要であり、近道だと説明した。
事例発表・パネルディスカッションでは、パネリストに「ホテル紅や」の清水孝弘支配人、「蓼科親湯温泉」の渡邉裕之支配人をはじめ、外出支援や入浴介助に取り組む任意団体「ユニバーサル・サポートすわ」の牛山玲子代表、基調講演を行ったJTB総合研究所の勝野氏が登壇した。
バリアフリーの改修を実施した宿泊施設からは「旅行の個人化に対応すべくユニバーサルに舵を切った」「地元に住んでいる人たちにも利用してもらい、地域として受け入れる気持ちを育てたい」「横連携を強化し、自施設だけでなく情報の共有が重要。『ユニバーサルといえば諏訪』といわれるようなエリアを目指していきたい」などの発言があった。
勝野氏からは「ユニバーサル化は障害者のためだけではない。例えば貸切風呂はタトゥーがある外国人や乳がんなどの手術痕を気にする方や子連れにも使いやすい。多様な方が使えるのが強み。どういうお手伝いをすればいいのかはやってみないと分からない。まずはやってみることが大事」と締め括った。
【古沢 克昌】