ホテルでバリアフリー講習 介助や接遇学ぶ 九州運輸局と福岡市
2023年2月25日(土)配信
高齢者や障害のある人などの接遇方法を現場で学ぶ「バリアフリー講習会」が1月30日、福岡県福岡市のホテルで、レストランや客室を利用して初めて開催された。
九州運輸局が福岡市と連携し、福岡市ホテル旅館協会と共催で、市内ホテル・旅館の従業員を対象に実施したもので、16人が参加した。
実技体験では、講師から車いすの名称や特徴など説明を受け、2人1組で車いす試乗した。建物の段差では、前輪を持ち上げて超える体験に、苦労する人も多かった。
講師からは「手足の位置を確認するなど、相手とのコミュニケーションを取ってほしい。黙って介助しない」とアドバイスを受けた。
視覚障害者の介助と疑似体験では、実際のバスを利用して、アイマスクを装着した相手を介助しながら乗降、座席への案内を体験した。
参加者からは「目隠しで本当に恐かった。バスの段差は距離感が分からない」と実際の感想を語った。
視覚障害者の誘導では、エレベーターから客室、レストランへの案内介助を学んだ。
客室では室内の模様や備品、アメニティの説明などの情報を、詳しく伝える事を学んだ。
レストランでは、料理を時計回りで内容や熱い、冷たいなどの情報を伝えることを学んだ。
座学では、障害福祉サービス事業所Wellの登本弘志理事長が講和。「シャンプー、ボディーソープなどアメニティが判断できない」「部屋番号が分からない」「トイレを流すボタン位置が分からない」「防火対策が不安」といった視覚障害者が困ることを説明した。
「障害も一人ひとり違う。話し合いの中で生まれた合理的配慮が必要」と強調した。