「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(2月号)」
2023年2月24日(金)配信
□特集&主な内容
毎年2月号は、アングレームの国際漫画祭に合わせて漫画に関する特集をしています。今年は、1950年代から60年代に日本の漫画文化の発展に大きな役割を果たした「貸本屋」を取り上げました。既に失われた文化ですが、江戸時代に始まり、活版印刷の発達や民衆の識字率の上昇、明治以降も大衆文化の展開に貢献した文化です。フランスでも知られている手塚治虫や水木しげるの漫画も貸本漫画が始まりだったことも含め、フランスの読者にわかりやすく貸本屋の歴史を説明しています。貸本漫画時代の証言者として、つげ義春の弟で自身も漫画家のつげ忠男さんにお話を伺ったり、世界初の漫画図書館を1978年に開設した内記稔夫氏の活動も紹介しました。旅行ページではローカル線で訪れる岩手県の奥州市(旧水沢市)を取り上げました。
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□〈フランスの様子〉フランスの高校生は他人を思い、50年後を見て、今動く
2月初め、日本の高校生などの度を過ぎた悪ふざけは、フランスでも「Sushi-terro」と話題にされたが、同じ時期にフランスで取り上げられたのは、年金制度改革に反対するフランスの高校生。◆1月に政府が年金制度改革を進めるや、主要な労働組合の7つは共闘姿勢を表明。労働組合だけではなく、大学生の組合運動も活発で、高校生の組合もあるフランスでは、若者たちもこの抗議運動に参加。既に何度もフランス全土でデモやストライキが行われている。◆1月31日、高校生組合の発表では、全国で200近くの高校で学校閉鎖があった。パリの進学校やエリート校でも、高校生の組合員が入口を塞いだ。◆組合に参加しているのは一部の生徒だが、一般の生徒もこうした運動に賛同し、学校封鎖に協力的だったり、一緒にデモに参加したという。◆高校生たちは、自分たちの年金も考えるが、自分たちの親の世代や祖父母の世代の年金を心配して、行動を起こしているという。◆3月末の審議終了まで、大きなデモやストライキが続くだけではなく、場合によっては大規模な交通ストなどに激化する可能性もあり、若者も街で声を上げるようだ。
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フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉