「旅館・ホテル」の人手不足「約8割」と最も深刻 景況感の回復で(帝国データバンク調べ)
2023年3月1日(水) 配信
帝国データバンクはこのほど、人手不足に対する企業の動向調査をまとめた。これによると、「旅館・ホテル」の約8割が「人手不足」を感じており、全業種の中でも群を抜いて高い結果となった。
調査は1月18~31日に全国2万7362社を対象に実施。有効回答企業数は1万1719社(回答率42・8%)。
2023年1月時点における従業員の過不足状況を尋ねたところ、正社員について「不足」と感じている企業は51・7%と前年同月の47・8%から3・9㌽上昇。1月としては19年の53・0%に次いで2番目の高さとなった。50%を超えたのは5カ月連続で、とりわけ大企業は62・1%と高水準となっている。
業種別では「旅館・ホテル」が77・8%と3カ月連続のトップ。22年1月の41・9%、21年1月の5・3%と比較すると、インバウンド需要の拡大など景況感の高まりと連動して深刻化していることがわかる。
慢性化する人手不足への対策として、和歌山県の旅館では、「客室稼働率を減らしつつも施設の改修などで単価アップをはかり、客室あたりの収益を改善させることで、利益を残せるように工夫を重ねた」など、さまざまな企業努力をしている回答もあったという。
非正社員について「不足」を感じている企業は31・0%。1月としては19年(34・4%)以来、4年ぶりに3割を超えた。
業種別では「旅館・ホテル」が81・1%で1位。2位の「飲食店」(80・4%)とともに、3位「人材派遣・紹介」(60・5%)以下を大きく引き離した。