山梨県 やまなしの美酒・美食を推進 “フルコースイベント”を実施
2023年3月14日(火) 配信
山梨県(長崎幸太郎知事)は、同県の豊かな食材を活用した新たな食ブランドの確立と、「食」を目的とした誘客促進及び観光産業の収益向上をはかるため、2022年度「ワイン県やまなし」美酒・美食推進事業を実施している。事業の一環として、豊かな土壌から生まれる野菜や雄大な自然の中でのびのびと育ったジビエ、そしてワイン、日本酒、地ビール、ウイスキーといった県産酒を使用した、美酒美食のペアリングイベント「やまなし美酒美食フルコース」イベントを昨秋に開いた。
同イベントでは「北杜エリア」と「河口湖エリア」の県内2カ所において、それぞれの地域の特色を生かした料理を「やまなしグルメコンソーシアム」メンバーをはじめとする料理人が手掛けた。
11月30日に開催された河口湖エリアのイベントでは、和・洋・中の3人のシェフ、フレンチ「TOYOSHIMA」の豊島雅也氏、中国料理「NIGRAT」の加藤亮平氏、和食の窪田帆貴氏が担当。
豊島氏と加藤氏は山梨県内にレストランを構え、窪田氏も山梨での店舗開業に向けて準備中と山梨にゆかりのあるシェフが集合した。
22年に河口湖に誕生した「7c|seven cedars winery(セブンシダーズワイナリー)」のファーストビンテージワインとともに、河口湖の風と土を感じるスペシャル土窯コースメニューを提供した。名称のseven cedarsは、河口浅間神社に存在する「7本の千年杉」に由来しているという。
フルコース料理に先立ち、7cワイナリーの栽培・醸造責任者である鷹野ひろ子氏から新しいワイナリーの施設と設備について紹介があり、河口湖エリアでワイン造りに取り組む背景や狙いについて説明が行われた。
同日のフルコースは、7cワイナリーの屋外テラスに設けられた特設コタツ席で料理が振る舞われた。
フルコースの内容は、
【前菜1】鹿肉ジャーキーのおもてなし+よだれ鶏(7cワイナリー/シャルドネスパークリング)
【前菜2】富士の介 薪のオイル(7cワイナリー/甲州バレルファーメンテーション)
【椀】銀杏すりながし ナマズの炭火焼き(笹一酒造/純米大吟醸)
【点心】スッポン焼売&富士桜ポーク腸詰め(井出醸造/大樹海)
【肉】富士山麓鹿肉縄文焼き(7cワイナリー/プティ・ヴェルド)
【〆】鹿+牛肉麻婆豆腐(BRIGHT BLUE BREWING/スパイスエール)
すべてのコース料理が提供されたあと、調理を担当した豊島シェフに話を聞くことができた。多くの料理に使用された鹿肉は豊島シェフが河口湖エリアで自ら猟をして捕ったもので、どれも臭みがまったくなく、しっとりした食感が魅力的だった。山梨県の食材やお酒のもつポテンシャルの高さを垣間見ることができた。
山梨県産のワインや日本酒とともに、普段は簡単には口にすることができない貴重なジビエ料理をいただき、参加者から感動と感謝の言葉が多く発せられた。
これを機会に「ワイン県やまなし」の美酒美食と美しい風景、山梨の豊かな魅力を今後も堪能していきたい。
【古沢 克昌】