鶴雅グループ代表・大西雅之氏「旅館業界のサービス料を復活させたい」(第7回日本宿泊ダボス会議で)
2023年3月22日(水) 配信
宿泊施設活性化機構(JALF)は3月15日(水)、東京都内で第7回日本宿泊ダボス会議を開いた。テーマは「収益のために地域と一体にならざるを得ない宿泊施設~インバウンドの回復と分散型ホテルの発展を念頭に~」。
基調講演では、日本旅館協会会長で、鶴雅グループ代表の大西雅之氏が「私が考える2030年を見据えた宿泊業界の進化」について語った。モデレーターはJALFの伊藤泰斗事務局長が務めた。
大西氏は冒頭、「コロナ禍の3年間で、想像にも及ばない厳しさのなか、2つだけ良いことがあった」と切り出した。1つは疑似引退によって「前向きにチャレンジする意欲が湧いてきたこと」、もう一つは「コロナ禍がなければ国の支援策もこれほど大規模なものにはならなかっただろう」と述べた。デジタル化や国際化が急速に進むなか、「後手後手になりがちな我われ宿泊業界も危機意識を持って対応を迫られた」と話した。
2030年の宿泊業の進化については、①原点回帰! 郷土力を磨き、宿も町も作品づくり②サステナブルな新しい旅のスタイル③コロナは改革のチャンス――の重要性を述べた。大西氏は「宿も町も長い時間をかけた“作品づくり”と考え、コストではなく、投資と捉えることでマインドが大きく変わる」と強調した。
また、コロナ禍で離職者が増えた宿泊業界には「単価アップ」が必要不可欠とし、その解決に向けた具体的な方策の1つとして、とりわけ旅館業界は「サービス料を復活させたい」と力を込めた。