4地域が成果を報告 稼げる看板商品創出へ(茂原市・伊東市・旭市・湯河原町)
2023年3月23日(木)配信
観光庁が公募した「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」に採択された千葉県旭市と茂原市、神奈川県・湯河原町、静岡県伊東市が、それぞれの地域で展開した事業の成果を報告した。
湯河原町はロケ弁の開発を実施、市民に向けての報告会も行った。一方、他の3地域は地元の食や景勝地、資源などをさまざまに組み合わせ、生産者や地域事業らが案内をするモニターツアーを実施。伊東市はモニターツアーを磨き上げ、実際の商品としての販売まで企画を昇華させた。
千葉県旭市は出荷額全国2位を誇る「養豚」に着目し、「食」と「体験」の両面から旭市の産業を通じまちをPRするモニターツアーを2回実施した。地域ブランド「九十九里レザ―」のクラフト体験や、市の銘柄豚「日の出ポーク」などを楽しむバーベキューなどを組み込んだコースを造成した。
「もばらSDGsディスカバリーコンテンツ」の確立を目指す千葉県茂原市は、「地産地消の天然ガスコース」と「世界に誇る産業コース」、「ロケ誘致でSDGsまちおこし」など複数の教育体験コースを造成、市内教育関係者を招きモニターツアーを実施した。参加者からは、「こんな場所が茂原にあったのかと改めて気づく場所もあった。教育の現場でも生かしていきたい」という声が上がった。
隠れた「美食」のまちでもある神奈川県・湯河原町は、課題となっている観光消費の地域波及効果を町全体にいきわたらせようと、観光施策の1つとして注力する「ロケツーリズム」と「美食」を掛け合わせ、食の魅力向上と観光消費増進への取り組みを実施。「湯河原ならではの特産品を使用する」ルールのもと市内8事業者がロケ弁を開発、観光客にも認知してもらうべく販売先を紹介する「ロケ弁BOOK」を発行し、各事業者の店舗や町役場で配布した。
映画やドラマなどが撮影された“聖地”(ロケ地)を多数有する静岡県伊東市は、「知ると伊東のとりこになる!」をテーマに「聖地巡礼×とっておきの○○」テーマ別周遊コンテンツを造成し、新たな客層へのアプローチを行った。市は「撮影裏話」、「謎解き」、「映え」の3コースを考案した。昨年12月にはモニターツアーを実施し各コースに関する意見を収集、今年1月からは近畿日本ツーリストが実際にツアーを販売した。
なお各地域のコンテンツ開発では、ロケ地情報の発信に加え、地域活性化の実績もある地域活性プランニングが企画・監修プロデュース・運営役を担った。同社が発行するロケ地情報誌ロケーションジャパン編集部の髙木睦美氏は、「4地域は普段からロケを活用しながら、新たな層に情報発信を積極的に行っている地域。今回の事業ではそれぞれの強みを生かしながら、新たな価値を創出することで、地域の魅力の再発見し、さらに販売を行うことでニーズを知ることができた」と各地域の取り組みをまとめた。