ANTA、国内活性化フォーラムinやまがた開催 5万人の送客CPも決定
2023年3月24日(金) 配信
全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は3月17日(金)、山形県山形市で第17回国内観光活性化フォーラムinやまがたを開いた。全国47都道府県から約1000人が集合。コロナ禍からの地域観光の再活性化に向けて、5万人規模の送客キャンペーンの実施を決定し、会員の結束を強めた。
二階会長はビデオメッセージで「コロナ禍が収束に向かうなか、ANTAとしても地方活性化の反転攻勢の役に立つ」と開催の意義を語った。
さらに、全国旅行支援によって全国へ人の流れが復活し、雇用創出につながったことから、「観光は地域創生において極めて有効な手段だ。コロナ禍が収束に向かうなか、観光業が活性化すれば、社会全体がよくなる」とし、「(会員は)感動を与える崇高な仕事をしている。一人ひとりが先頭に立ち、力を合わせましょう」と話した。
来賓の観光庁の和田浩一長官は「これまでの課題や、旅行者の意識の変化を踏まえ、持続可能な観光地域づくりと国内交流の拡大、インバウンドの回復の3つを強力に推進する」と話した。
さらに、海外旅行の本格的な回復に向けた政策パッケージを取りまとめたことも報告。開催地である山形県については、「雄大な自然や温泉資源などに恵まれている」との認識を示したうえで、「より多くの観光客が訪れ、消費が行われる地域になるように取り組む」と語った。
山形県の吉村美栄子知事は「県の代表的なフルーツサクランボの最盛期である6月、やまがた紅王がデビューする。500円玉大のサイズで県が20年以上掛けて開発した」とアピールした。そのうえで、「イベントの開催などを通じて、県のブランド力を向上させ、サクランボなどフルーツの魅力を生かした観光を推進する。会員の皆様には、一層魅力的な商品を造成してほしい」と語った。
基調講演には東北運輸局局長の田中由紀氏が「ポストコロナ禍社会の観光振興」と題して、登壇した。
田中氏は冒頭、全国旅行支援の開始で、昨年秋以降における国内旅行の延べ宿泊者数がコロナ禍前の19年を超えていることや、訪日外国人観光客が昨年10月の水際措置の緩和後、台湾やASEANを中心に回復したことを報告した。
訪日外国人観光客については、台湾やASEANよりも消費単価の高いアメリカの回復率が上回っていることを説明。ポストコロナでは消費単価の向上が求められるなか、「効果的な回復をはかれる市場として視野に入れることも重要だ」と語った。
記念講演では、山形県の旧藤島町(現鶴岡市)出身でお笑い芸人のウド鈴木さんと司会の井上尚子さんが「全国を旅して我が故郷を想う」をテーマにトークショーを行った。
庄内地方への旅の魅力について「東京から2時間新幹線に乗り、その後特急に2時間乗車する。お酒を飲んで、乗り換えで頭冷やして、また2時間お酒飲む時間がちょうど良い」と語った。
また、25年に開催される大阪・関西万博のアピールするため、2025年日本国際博覧会協会の髙科淳副事務総長と公式キャラクターミャクミャクが駆け付けた。
髙科副事務総長は「世界の将来につなげるため、修学旅行を誘致したい。25年の行き先はこれから決めると思うので、さまざまな意見を聞かせてほしい」と呼び掛けた。
山梨送客キャンペーンは昨年6月1日(水)から1月31日(火)まで実施した。コロナ禍で、延べ6万4177人と10万人の目標は未達となった。最優秀会員はアコード(東京都北区)。優秀賞はアイカツーリスト千葉(千葉県千葉市)、準優秀会員はトラベル・セゾン(東京都千代田区)だった。
今年度は、山形県への送客CPを展開。目標は5万人とした。期間は4月1日(土)~来年1月31日(水)までとした。
次の国内観光活性化フォーラムの開催地は、24年2月15日(木)に、愛知県名古屋市を予定している。
引き継ぎ式では、東北地方渋長連絡会の大久光昭議長から東海地方支部長連絡会の藤田雅也議長に、大会旗が渡された。
地元実行委員会の委員長も務める藤田議長は「(昨年)県政150周年を迎えたことから、観光資源の情報発信に力を入れてきた。そのなかで、再発見した魅力として、目で見て、感じて、楽しめる愛知県を披露する」と語り、来場を促した。
また、会場では同県内の自治体がブースを出展した。フォーラム終了後には懇親会も開かれ盛会裏に終わった。