どこでも車いす・ベビーカー 実証事業で90%満足 九州運輸局
2023年4月5日(水) 配信
九州のバリアフリーツアーを推進する「九州ユニバーサルツーリズム広域ネットワーク連絡会」の会議が3月14日、福岡県福岡市内で開催され、九州運輸局と同会が昨年11月に実施した「どこでも車いす・ベビーカー実証事業」の結果が報告された。利用者の「満足度」は90%、次回「利用したい」も98%と高評価を得た。
同事業は、九州の空港や駅で車いすとベビーカーを借り、どこでも返却可能にして、障害のある人や高齢者を含む家族・グループ旅行を推進するため、昨年11月1―20日、全国に先駆け初めて実施した。
福岡空港や博多駅、熊本駅、鹿児島空港など九州地方の7県11カ所に貸出・返却場所を設置。1日1千円で貸し出し、利用の状況や満足度、再利用の可能性などを探った。
期間中に68件の申し込みがあり、車いす27件、ベビーカー33件の計60件が利用された。平均貸出日数は2・7日で、県を跨ぐ広域利用は5件となった。
香港、タイ、韓国、台湾から訪れた外国人利用も4件あり、車いす3件、ベビーカー1件が貸し出された。
国内の利用者は関東が50%と一番多く、以下は九州25%、中国8%、関西7%と続いた。
報告書では継続的な事業化に、「窓口設置」などの費用面や、車いす移送など運用面を課題に挙げている。
九州ユニバーサルツーリズムのプラットホーム構築の必要性も指摘する。