辻調グループ 62%が日本で就職希望 留学生アンケート
2023年4月6日(木) 配信
大阪と東京、フランスで食のプロを育てる専門学校を展開する辻調グループは2月、辻調理師専門学校と、辻製菓専門学校(辻芳樹校長、大阪府大阪市)の留学生366人に1月18―24日に行ったアンケート「日本留学の目的と展望」の結果を発表した。有効回答数は305人。
そのなかで、留学の決め手は「日本の食・文化への興味」「技術力の高さ」が最も多かった。留学生の62%が「日本で働きたい」と希望した。
2002―23年度に入学した留学生総数は2416人。現在、日本料理や西洋料理、中国料理を学ぶ「辻調理師専門学校」が203人、洋菓子や和菓子、製パンなど学ぶ「辻製菓専門学校」に163人が在籍する。
国別では韓国が最多の180人。中国80人、台湾49人と続き、アジア圏中心の12カ国から留学中。19―22年はインドネシア、香港が増加傾向だ。
日本を留学先に選んだ理由は、「日本の食文化への興味」が最多。「料理、製菓技術のレベルの高さ」、「日本の料理、菓子が好き」も多い。料理を学ぶ学生は「日本で仕事をしたい」も理由に挙げた。学びたいジャンルでは、「日本料理」が39・7%、「洋菓子」34・0%、「製パン」「西洋料理」が13・4%。
このうち日本料理は「調理法や1品ずつの道理があって美味しく、見た目も調理法も深く心惹かれた」も理由に挙げた。
卒業後の進路では、「日本で働きたい」が62%を占めている。今年卒業して、日本で就職内定の89人の就職先では、「料理」関係が54人、菓子が25人。「キャリアアップ」と考える学生が多いという。
ある旅館関係者は「業界全体が人手不足のなか、調理場も慢性的に足りていない。インバウンドも回復するなか、外国人の調理人採用を考える旅館も多いのでは」と期待する。