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観光大国の元年に、全産業の総力結集へ(JATA・田川会長)

今年の抱負を語る田川会長
今年の抱負を語る田川会長

 日本旅行業協会(JATA)は1月7日、2015年初の定例会見を開き、田川博己会長が今年の市場動向の見通しやJATA活動の方向性について語った。田川会長は「観光大国」という大きな目標に向けて、今年は節目の元年になると言及。「ツーリズムだけではなく、全産業の総力を結集できるような流れを作るため、JATAとしても発信していきたい」と抱負を述べた。

 昨年の14年については、国内旅行が順調に推移したことを報告。「1年間の旅行需要を見て、旅行そのものに対する考え方が少し変わったと感じる。震災を経て、日本をもう一度見直そうという機運もあり、ライフスタイルのなかにしっかり旅行が入り込んだ印象がある。また、団塊の世代が65歳を超え、本格的に動き出したという感想を持った」と振り返った。一方、海外旅行は「円安が吹き荒れた年」と総括。取扱高はハワイや欧米が好調であまり影響はないが、中・韓国の不調などもあり、海外旅行者数は1700万人を割る可能性もあるとした。

 15年の市場動向は「インバウンド、アウトバウンド合わせて3千万人が現実のものとなり、3千万人双交流時代が到来する。将来、ターニングポイントだったといわれる年になると思う」と展望した。訪日旅行は引き続き数を伸ばすとともに、富裕層の旅行者が増加し、海外旅行は日韓・日中の政情が安定すれば旅行者数は回復するとみる。「円安は当面続くと思うが燃油は下がっているので、海外旅行の単価が上がる要素はあまりない」と述べた。国内旅行は3月14日の北陸新幹線の開業が大きなインパクトになると強調。「日本の真ん中を周遊する新しいルートができる。また、高野山開創1200年や姫路城の改築、秋の5連休など好材料がある」と期待した。

 JATAの15年の活動については、国内は「東北の復興なくして国内旅行の再生はない」とし、10年、15年のスパンで継続して東北の旅行需要回復に取り組んでいく。宿泊旅行の拡大は、外国人旅行者を地域へ送ることで数の増加を目指すとしたが、訪日旅行は質が大きな問題だと指摘。「JATAが展開するツアーオペレーター品質認証制度が世界にうまく伝わっていないので、しっかりと取り組みたい」と述べた。

 海外旅行は需要喚起と政策提言に注力する。「本格的に海外旅行者数2千万人達成の施策に取り組む必要がある。海外旅行の政策提言はJATAにしかできない。改めて、なぜ日本人は海外旅行をする必要があるのかを考えたい」とし、MICEやビジネス需要を中心に議論していく考えを示した。

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