NAA、外客コロナ前の7割に回復 水際対策の緩和などで
2023年3月31日(金) 配信
成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が3月30日(木)に発表した2023年2月の総旅客数は前年同月比343%増の219万3323人となった。このうち、国際線の外国人旅客数は1981%増の100万5614人。コロナ禍前の19年同月比では約7割まで回復した。水際対策の緩和などが主な要因。
国際線の総旅客数は前年同月比724%増の163万7922人。このうち、日本人旅客数は同786%増の36万3590人。コロナ禍前の19年同月比では78%減だった。
国内線旅客数は前年同月比81%増の55万3900人。19年同月比では1%減とコロナ禍前と同水準となった。
総発着回数は前年同月比46%増の1万5072回。国際線は同44%増の1万1223回。国内線は同50%増の3849回だった。
田村社長は「日本政府による新型コロナウイルスの5類移行を受け、中国政府が日本行き商品の販売を解禁する可能性がある。このため、大きく回復することも見込んでいる」とした。
□訪日花見で好調 韓国コロナ前回復
3月1日(水)~25日(土)までの国際線出国旅客数は前年同期比1040%増の67万2300人。このうち、韓国線は同3331%増の14万100人。19年同期比では4%減とコロナ禍までの水準まで回復した。
田村社長は航空関係事業者からのヒアリングの結果として「花見シーズンを受け、タイやシンガポール、韓国、台湾などが好調に推移している」と説明した。アウトバウンドについては「3月下旬以降ハワイへのレジャー需要が増加している」 と話した。
□新ターミナル建設 段階的に1カ所へ
NAAは3月30日(木)、3つのターミナルを1カ所に集約する「『新しい成田空港』構想」の中間とりまとめを発表した。28年度末に新滑走路の供用開始で利用客の増加が見込まれることや、1970年代に建てられた現在の空港施設が老朽化しているため、昨年10月から有識者や国県市町を委員で構成する検討会を開き、議論を行ってきた。
新ターミナルは現在の第2ターミナルの南側に位置。新滑走路の完成後に、空港を運用しながら建てる。各滑走路からの距離が近く、鉄道と道路からアクセスしやすいことを考慮した。
整備は2段階で進める。フェーズ1では現在の第2と3ターミナルと接続して運用する。フェーズ2では新ターミナルが完成。既存のターミナルは閉鎖される。
田村社長は開業日程について「新滑走路の完成から大きく遅れなることなく実現したい。詳細は、今後社内で検討し、検討会に相談する」とした。