鳥取県・皆生温泉の老舗旅館「湯喜望 白扇」が民事再生法の適用を申請(帝国データバンク調べ)
2023年4月13日(木) 配信
白扇(福本一宇社長、鳥取県米子市)は4月7日(金)、鳥取地裁米子支部に民事再生法の適用を申請した。帝国データバンクによると、負債は約16億円。
当社は1955(昭和30)年9月に設立し、皆生温泉郷にある老舗旅館「湯喜望 白扇」を運営。99年に約8億円の借入金を投じて大幅な改修を行い、露天風呂付き客室16室を含めて33室に拡大。日本海を一望できる立地や日本海産の海鮮料理、冬季のカニ料理が人気となり、近年のピークとなる2016年8月期には、年間収入高約6億1000万円を計上していた。
しかし、多額の設備投資による減価償却費負担で赤字決算が続くなか、新型コロナの影響で利用客が落ち込み、22年8月期の年間収入高は約4億1000万円にダウンした。その後は、全国旅行支援などの恩恵があった一方で、燃料高や人件費などのコスト上昇もあって、資金繰りが逼迫。支えきれなくなったことから、自主再建を断念した。
帝国データバンクによると、「同日付で地元大手企業がスポンサーになることが決まっており、経営は今後も継続される予定」という。