近畿日本ツーリスト、2.9億円の過大請求 受託のワクチン接種業務で
2023年4月13日(木)配信
近畿日本ツーリスト(髙浦雅彦社長、東京都新宿区)は4月12日(木)、大阪府東大阪市から委託を受けている新型コロナウイルスワクチン接種に係る業務の人件費で、約2億9000万円の過大請求が行われていたと発表した。同日に開いた会見には髙浦社長と担当部長らが出席し、今回の問題の経緯と再発防止策について説明した。
同社によると、東大阪市健康部保健所からコールセンター業務に関して、問い合わせを受け付けるために設置する席数を指定されていた。しかし、2021年3月受注分から22年12月受注分において、コールセンター業務を再委託しているマケレボ社に同保健所の指定数より少ない席数を発注。一方で、同保健所に指定された席数を基準に人件費を請求した。
今年3月下旬に東大阪市に対して、コールセンター業務に関する通報があった。3月31日に同保健所からマケレボに対し、コールセンターの勤怠履歴の提出要請があったが、その勤怠履歴と同社が同保健所へ提出していた人件費請求明細が一致していないことから過大請求が発覚した。
近畿日本ツーリストは今後、同保健所に対して過大に請求した金額を速やかに返納するとした。これとともに、親会社であるKNT-CTホールディングスの社外取締役と外部専門家で構成される調査委員会を設置。現在行っている社内調査のプロセスの妥当性の検証を行い、さらに事案の解明および原因究明に必要な調査を実施し、それを踏まえて再発防止策を構築する方針だ。