「建物公開2023 邸宅の記憶」展 6月4日まで東京都庭園美術館で
2023年4月21日(金) 配信
東京都庭園美術館(東京都港区)で6月4日(日)まで、「建物公開2023 邸宅の記憶」展が開催されている。年に1度行われている企画展で、今回は同邸宅の主であった朝香宮家の人々に焦点を当て、宮邸時代の家具や調度を用いた邸宅空間の再現展示や、かつてこの空間を往来した人々が残した写真や映像資料、工芸品、調度品、衣装などを通じ当時の生活の一端を紹介。併せて、通常非公開の3階「ウインターガーデン」も公開する。
同美術館の本館は1933年に朝香宮家の本邸として竣工した。宮内省内匠寮が設計を行い、主要な部屋の内装をフランスの室内装飾家アンリ・ラパンが担当。内装にはアール・デコを代表する作家、ルネ・ラリックやレイモン・シュブらの作品も採用されており、1920年代から30年代にかけて欧米を中心に世界中で流行したアール・デコ建築が日本で花開いた事例を良好な状態で今日に伝えるものとして国内外から高く評価され、重要文化財に指定されている。
新館では、朝香宮家の第一王女である紀久子女王が降嫁先の鍋島家で大切に守り続けてきた伝来品を中心に、天皇家や皇族、華族との交流を物語る品々を紹介。また、祝辞の際に配る砂糖菓子を入れる容器「ボンボニエール」の数々も見ることができる。